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2024/05/15 

BL読ませてくれないか、といいに来た男の子がしばらくして「彼女と別れた」と。冗談めかして、「付き合ってくれないか」と言うんですね。

この人、こういっちゃなんですけどプレイボーイでね。昔書いたことあったかな。生徒会長なんです。ただ話もろくにしたことがなかったし、人として尊敬する部分はあったのですが、おっぱい星人だし(?)、本気に思えなかったためお断りして。

ただね……私その時点で恋愛に関してはまだまだ子供でね。18とかいい大人になりかけなんだけど、中学校も二年ほどボイコットしてるもんですから、男女の感覚がわからなかった。結果ものすごく傷つけることになってしまって。

翌日からどこで聞きつけたのか、女子が圧倒的に多すぎる学校ですから、後輩から同級生まで嫌がらせの日々。まあ大したことはないんですよ。中学時代のいじめって命に関わるレベルに荒れてるけど、高校入るとマシですから。卒業まで半年きっていたし。そんなおりに、むかし担任だった先生に騒動がバレまして。「なぜつきあったげないん?」と。

なぜもなにも、わたし好きなひといたんですよ。誰にも言ってないの。始業式一発目の日誌で、顔も見てないのに「あ、この人のために高校は通おう」と思った人。女でも男でもデブでもハゲでもキツネ顔でもいいので、この人を好きになろうと思った人。三年間心の中に大事にして、友達にも母親にも誰にも言ってきてないひと。

「せやから無理です」って言うんだけど、どこをどう話がこじれたのか、私が先の彼とつきあってる前提で噂が広まってしまったらしくて。私ほんとに誰にも言ってないし、「フラれたこと言わないでくれよな」って言った彼の方が怪しい気がしてたんですけど、実際こじれにこじれてね。お互い心当たりなかったのですが。

小説に関しては、わざわざ「本当に面白かったから。グループ内で回し読んでも大丈夫か。汚さないから」と聞いてくれたんです。二人だけだから、と聞いたひとの中に好きなひとと、友達になれそうかなってひとがいたため、「その二人だけにしてね」って。

しばらくして、プレイボーイの彼はちゃんと別の人に気が向いてくれて。好きなひとのほうでは廊下でこっそり、「ごめんね変なもの読ませて」といったら、腕をつかんで引き留めてくれて。「変じゃない。そんなこと言ったら、俺のほうが変だよ。書く文章とか、おかしいんだ」って言うから。

「私、あなたの書く文章ほんとうに好きなの。日誌とか、ちょっとした文集とか」

って勇気だして。そしたら一瞬、まあ私、当時は壊れた眼鏡も直せないくらい貧しかったので、たまたま眼鏡をはずしていたから、彼がどんな顔でそれを言ったか覚えてないんですけれど。

「僕も永香さんのちょっとした文章、すごく好きだったんだ」

って一言。嬉しかったですね。お互い照れくさくなって、それ以上は踏み込めなかったんですけど。廊下でごくたまに目が合うときがあったんですが、それ以降、目があったら笑いかけてくれるようになって。

まあ、でもそれだけなんです笑。というのも先の二人は一年からの大親友だったので、私たちが万が一どうこうなったら、三年間の友情は消えてしまう可能性がありますから。

卒業式に探したんですけどね。なんせクラスに四人しかいない貴重な男子ですから、みんな引っ張りだこなのよ。告白する勇気はなかったと思うけど、一言だけでも声を聞きたかったなって。そんな甘酸っぱい記憶の初恋です。

聞いてくださった方ありがとう。完結してない恋のお話ですから、20年も前の話なのに、今でもきゅーんとしちゃうのね。





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