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2024/04/10 

主「塩を信仰対象とする女神教ハイサンド。怪しすぎるな。親善試合と称して全力で潰しにかかってきたハゲ頭とワカメ頭も気になる……裏がありそうで探索しがいがある」
執「若様。あの国はさらに詳細不明な怪しすぎる製薬会社がありまして、話題性としてもタイムリーです。平等を掲げている裏で敷地を広げ、統治した地の果てで安い人材を死ぬまでこきつかうイケイケ国家。格差社会なんてレベルの話ではないカースト制度。かの国から渡ってきたカルト宗教が我が国の根幹となり、派閥を利かせております」
主「どこかで聞いたことのある話だな。しかし文化的にはエスフロストのほうが数段優れて見えるのにベネディクト。あちらに行きたいとはお前としては珍しい」
執「エスフロストはとりあえず自由を掲げている実力主義社会ですね。ほっといても攻めてくる気がするので後回しでよいでしょう。武力で制圧しようとする野心国家に次いでわかりやすいため、あまり興味がそそられません」
主「確かにお前の言う通り、遠からず親友の王族一家が殺される気がする。先に裏表の激しい国の実態を見ておきたい……そうだな、前回の天秤はmoralとfreedom半々で振りきれていたが、あらかた謎は解けている。今回もハイサンドにするか……」
執「……? 今回?」

友「なにを話してるんだセレノア」
主「!! ロラン王子!」
執「いえ、我が国グリンブルクの悪口をば少々」
主「ベネディクト……! おまえ……」
友「ははは面白そうだ。そんな楽しい話なら是非俺もまぜてくれ」
執「かしこまりました。貴族の賄賂と汚職問題、税金で虐げられた平民の怨嗟の声がやまない事態となっております。三国合わせての親善試合にかかった費用も全額こちら持ち。共同採掘は遅々として進まず」
友「父上の代では変わらないだろうな。……しかし俺の立場もしがない第二王子。兄上は父上と同じく、手駒のように操ろうと考える節がある」
主「そうですね。ベネディクトも私のことを理性で御せる青二才としか考えておりませんから。同じ口でモラルとは何か延々と愚痴ってくるので困ったものです。失礼、向こうで話しましょう」
執「若様は甘すぎロラン様はいい加減すぎます。いいですか、ウォルフォート家の名というものは……であるからして非常にまことに遺憾ながら……だいたい若様は……」

主「やれやれ撒いたぞ。しかしロラン王子いいな。嫌ってる人が多いと聞いたが、野心は控えめで若さが溢れてて清廉で友情に熱い……闇堕ち方向に振りきれない限りは非の打ち所がない。あれぞ主人の器。血筋だからと領土を任されそうになったとたん慌てふためくのも共感できる。……まあ最終的に民も国も半分以上捨て、一緒に新天地を目指した前世の記憶を引きずってるのかもしれないが」
友「セレノア! 俺のことはいい。民を……民のことを先に考えるんだ!」
主「!? さすが人生2周目、展開がはやい……ロラン様。あなたには生きていてほしいのです。あなたがいなくなると最終選択肢が許嫁と執事のみになってしまう。とりあえず親が決めたとはいえ、結婚の約束までしている相手の意見を尊重できないなんて……と許嫁ルートとりましたが、ベネディクトの言い分に傷ついているあなたを見るのはつらかった……」
友「? 言っている意味がわからないふりをしておこう。しかしセレノア、言い出しづらいのだが、君が死んだあと、俺はフレデリカと……」
主「うっ……!? い、いや。むしろそうなったらいいなと願っておりました。貴方を押し退け私が覇王になったところで、戦争続きの悪名だけ残ったと思いますよ。次世代が生き残ってこその国家です。……よし、私は間違ってない。ゆこう新天地を目指して!」
友「だめだぞ友よ。せっかくやり直せるのだ、できれば違う選択肢を選べ。ハイサンドに与した上で清廉潔白に民を守りすぎると、悪徳商法のバブル経済に増長した民の声だけ残り、民そのものに対する愛情も薄れてしまう。広がった格差で若い世代の怨嗟がやまなくなるぞ。今度こそ慎重にゆこう」

嫁「セレノア、話は聞きました。異世界転生なんて都合のよいシステムがこの世にあるなんて……ああ、恐ろしい夢を見た気がします。新しい真の女神のように担ぎ上げてもらって恐縮でしたが、私は貴方と……」
主「巻き込んでしまいすみません、フレデリカ。今回はあなたとの時間が多くて嬉しいです。前世の経験は忘れられる限り忘れましょう。聞くところによると、貴女と結婚式を正式にあげられる真ルートがあるらしいですよ」
嫁「! あの一度袖を通しただけでうやむやになった花嫁衣装が着られるのですか? で、でもハイサンドで虐げられている民たちを差し置いて私だけ……」
主「それはそれ。これはこれで楽しめとエラドールが笑っていました。どういう選択をしたところで、ひとの人生は短いものですからね……どうしましたフレデリカ?」
嫁「ベネディクトに『あの女狐のせいで私の若様が!』と毎夜言われる夢を見るのです。私は、前世でどんな選択をしたのでしょうか……」
主「全力で忘れてください。……ベネディクトめ……あの調子だとまた覇王目指しましょうとか無茶言ってくるだろう。いやがらせにfreedom応答でストレス与えとくか……」
嫁「セレノア。覇王を目指すルートでないと、私が離脱すると小耳に挟んだのですが、それは……」
主「……ッ!! フレデリカ。永遠というものはまやかしです。どれだけ長くいるかが重要ではない……愛は儚いもの! 前世だって友情以上恋人未満エンド! 時間ではないのです!!」
嫁「ふふ。説得がお上手になりましたね。最初の頃と違って、満場一致で秤が傾いています。ひょっとして、自分の声を押し殺しておられるのでしょうか?」
主「鋭いですね。ただ前世の記憶が波乱万丈過ぎて、間違っちゃいけないとは一切思わなくなりました。一緒の時間を大切に、共に歩み続けましょう」




執「セレノア様が最近おかしいのだ……エラドール、何か知らないか?」
筋「遅めの反抗期だな。せいぜい捨てられないように気をつけるこった」
執「………………(筋?)」


激終。


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