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2018/10/04 

出るという噂は目にしていたのだが、忙しさにかまけて忘れてしまった。手に入れられず悲しい。原作や同人誌の方は話が弾んだ際に「一冊五千円になってました。20巻でいくらでしょう」と言いつつ『悪魔ちゃん』を描いてくれたケロ幕さんに送りつけたような気もするが……いや違う友達だったか。私は私で美味しいものをもらった。本は心の栄養になるが腹は膨れぬ。有難う。以前なにげなく書いたマラスの塩田は物々交換地域なのである。人間はそのうち物々交換に戻っていくのではないかと思う。しかし貨幣はどんな理由や差別があってもなくしてはいけない。これは絶対に必要である。性差や数字にとらわれてきたからこそ生まれたものがある。すべて空想の産物になっては人間が狂う。躊躇なくポンポン死んでしまうよ。鏡ばかり見てたら気が狂うことを、また皆で言わなくては……。

これは当時の少女小説レーベル(ティーンズハートやコバルト文庫を始めとする、漫画の絵がついてるが物によっては一般小説を越えるほどの文学。今はこの境も曖昧になってしまい逆に探しづらい)の中では異色の作品であった。皆川さんご自身は男性、女装家の方である。ティーンズハートにはそういう謎の経歴の方もたくさんいらっしゃった。『銀河ヒッチハイクガイド』の初期翻訳をなさった『幽霊事件』シリーズの風見潤さんは翻訳家にして男性、近年はライトノベル収集者としてよく知られる『あたしのエイリアン』シリーズの津原やすみさんも男性である。ホワイトハート文庫はBLのはしりともいうべき小説を出すラインで、電撃文庫などはゲーム関連であったりややエキセントリックな作風であったため、男性読者を多く獲得していた。しかし少年漫画を読んでいる女性、マーベルのアメコミ映画を好んで描く女性もたくさんいることから、そのラインも完全に男女ですみわけているわけではなく、平成に入ってからは男女の差はほとんどなかったのが実態かもしれぬ。百合小説として絶大なる男性人気を誇った『マリアさまがみてる』はコバルト文庫発信で、『炎の蜃気楼』は社会科の男先生が泣きながら延々と歴史を駆け抜けた男同士の恋愛について語るのが通常であった。

近代文学をライトなものとして大衆化させた一番の功労者は、やはり筒井康隆ではなかろうかと思う。『時をかける少女』はいつの時代にも、人のなにがしかの「時間というものに対する混濁」を取り払ってくれる力がある。対して時をかけるライコ、『運命のタロット』のテーマは「未来は変わらない。変わることはない。それを変えたい側とそのままの未来を望む側の闘い」という、他では得られない熟達した感性と極上の推理小説としての重みがあり、多数のファンを獲得したのである。しばらく感想を読んで過ごすが正しいか、やはり電子書籍を手にしようか。絶版本が楽に手にはいるのはいいんだけどなあ。やはり紙媒体ほどには鞄の重みもなく、紙魚の大家族がスヤスヤとしてるのを邪魔だと思っても、そこにあって「読んだ」という感じがしないのがデジタルで困る。両方は選べない。何かを手にして何かを失う。しかし手にしているものを数えて参ろうや。遠い寺とはもうすれど。勇気をだして。

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