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2018/08/10 

津川さん関連で変な現象といえば一つしか知らない。以前も少し話したかもしれないが、中年好みの友人と「津川さんと塩見さん、どちらが旬か(私たちにとって)」「どちらがセクシーか(私たちにとって)」で大モメに揉めた。16か7になったばかりであった。逆算して考えても老年と中年である。62歳vs54歳くらい? ……全然若いな。なぜあんなに壮年趣味をからかわれたのだろう。まあよい。同じような女学生は気にしなくていい。こっちも相応に年を取るので、今なら少しオジチャン趣味ねくらいの扱いで済む。

議論は白熱した。そのとき旬が来ていない若手を例にあげてみたり、今にも死にそうな昭和俳優について話してみたり。ときどき既に死んでいることが判明したり、その週末に死んだりもした。構わぬ。別に息をしてるから好きなのではない。伊達に二次元と疑似恋愛してない。女学生を越えても二次元愛まで続くとは思っていなかったが。侘しい限りである。

おじさんといえば田村正和しか知らない友人たちに公平な判断をお願いしたりもした。「ごめん。違いがわからない」「とりあえず年が若いほうで」「一徳さんが入ってないんだけど」。構わぬ。SMAPの名前さえ満足に言えずKinKi Kidsが5人組だと思ってきた二人である。大方の反応は予測していた。決着はつかず一ヶ月が過ぎた。そこで初めて、誰かが口を開いた。「ねぇ、なんでその二人なの。共演してるのも見たことないし。他にもいるでしょう?」

いやいやいや、絶対この二人でしょ! と渦中の友人と顔を見合わせ、私はアッ、と声を出した。白昼夢である。これは見ない人には説明しづらいので、リアルでは見えると言ったことがない。私は見える系ではないので(思うに系列がある。感じる系は最も多く、そのほとんどは気のせいなので気にしなくてよい)、ハッキリ無視できぬほど「見た」といえる経験は数えるほどしかないのだが、そのときはなかなか強烈であった。前提として言っておかなくてはならないが、その頃は塩見さんにせよ漣さんにせよ、滅多に表に出る俳優さんではなかったのである。

同じく茫然としていた友人が私の目を見て、衝撃の一言を言った。「そうね。どちらか決めることはないね。この先、共演するかもしれないし……」 同じ映像を共有したのは明白だと思った。「着物着てみたりね」私は答えた。パッと両手を繋ぐと映像は鮮明になった。どの色が似合うかで話は弾んだ。「臨終のシーンとかあってね」「うん、手を繋いで泣いてみたりね」「まだまだ先だよね」「よかった。役者さんは長生きしないからね」! それまでそういう現象について、話したことのない相手だった。しばらく二人で共有した映像に感激していた。これについて確認はしなかった。「あなた。今の見た?」と聞いたとたんに、サンタの魔法が消える気がしたのである。

もう離れてかなりになる学生時代の話だが、ファンの慰めに多少でもなるようなら記しておこうと思う。一次でも二次でも、「書き続けられるものは何か違うんだよね」と聞いた。BLが苦手な私が創作を続けるか迷った年に、ここをやり始めた最初の理由はそれだった。『銀二貫』の最後のシーンを見たとき、「ああ、やはりあの映像はあった」と思ったからである。そして「やはりどちらも素敵だったね」と。別の誰かと言葉ひとつで共有できるなら、これ以上ない喜びである。

追悼、津川雅彦。






(……ん? 私は津川さん推しましたよ。だってまだ塩見さん全然若かったから☆)

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