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2017/11/24 

山田「須田さん。お花あげるよ!」
山田「わあ。ありがとう。僕、男の人から花もらうの初めてだよ」
山田「毎日あげてるじゃないの。花買いに来る日は」
山田「そういう意味じゃないよ。でもありがと☆」
山田「よし。こういうのだよ。これだよ!これこれ!これで行こう!」
アキ「なにしてるんですか」
山田「あっ。アキちゃん、こ。これはね!」
アキ「終わった?」
山田「……いつから見てたの」
アキ「あー、『誕生日おめでとう。還暦過ぎたら年は一個ずつ減らそうね。俺、須田さんよりだいぶ下だし、長生きしてね☆』あたりから?」
山田「最初からだよね。二十分は見られてたよね」

アキ「お花ください」
山田「なんにする? ブーゲンビリアとか入ったけど」
アキ「なんでもいい。明るい色かな」
山田「ちょっと待っててね」
アキ「山田さん」
山田「リボンリボン……もしかして、アキちゃんもこれ須田さんに?」
アキ「家用。それより山田さん」
山田「ハサミハサミ……あれ、どこだ」
アキ「山田さん。須田さんのこと好きなら、ちゃんと言ったほうがいいですよ」
山田「」ジャキン!
アキ「あ」
山田「……ああ」
アキ「それももらいます。茶碗に浮かべてレジ横に飾る」
山田「十円でいいよ。それより急にぶっこんでくるのやめてよ」
アキ「お金とるんだ」ジーッ
山田「じゃあ話聞いてってよ。ただでいいから」ハァ…

アキ「ああいうタイプはね、はっきり言わないと一生気づかないよ」
山田「かなり露骨に言ってるけど、駄目なんだよな」
アキ「担当の先生がそうだった」
山田「編集者時代の? アキちゃんにもそういう人いたんだ。あっ、ごめん。いや、ずっと一人だから、やっぱり気になっちゃってさ」ハハッ
アキ「もっと前に好きだった人はね、独身じゃなかったんだなあ」
山田「ーー須田さん?」
アキ「あのひとは私が生まれたときから独り身ですよ」フフッ
山田「ああ……えっ。もしかして、俺?なんちゃって」ハハッ
アキ「ばか」プイッ
山田「はははは。えっ?ええっ!?」

アキ「でね、先生の話に戻すけど」
山田「ごめん。ちょっと衝撃が強すぎて適切な返しが見つからない」
アキ「いいよ。いま振り向かれても困りますし」
山田「ああ、やっぱりそうなんだ。ごめん、気づかなかった。俺のどこが好きだった?」
アキ「私が好きなことに気づいてない人が好きなの。だから山田さんはもう遅い」
山田「そっかあ。残念」ハハッ
アキ「先生も、私が好きなことに気づいちゃったのよねぇ」
山田「よかったじゃん」
アキ「女の人なの」
山田「ふーん……あっ」エ?
アキ「それで、駄目になった」
山田「ああ」

アキ「山田さん。余計なこと言わないね」
山田「俺の話聞いてもらうはずだったのに、俺が聞いてるからだよね」
アキ「私ね。シマちゃんにも、コクられた」
山田「そっちはなんとなく……えっ。でもシマちゃんも、結婚するよね?」
アキ「もうした。告白はずっと以前の話よ。うちに来たばかりの頃」
山田「そっか。そのときアキちゃんはなんて応えたの」
アキ「『ありがとう』って」
山田「……それから?」
アキ「それだけ。先生と同じ答え方をしてしまった」
山田「先生にも、ちゃんと告白したの?」
アキ「したよ。でも何事もなかったように、次は仕事仲間に戻ってた」
山田「それは、ちょっと残酷だなあ」
アキ「私もそう思う。だからシマちゃんとはあれから話してないけど、いつかちゃんと謝りたい」
山田「うん。でもシマちゃんはそういうこと、ちゃんとわかってる子だよ。自分の気持ちを言いたかっただけで。アキちゃんが何か言っても言わなくても、この先もまるごと受けとめてくれるんじゃないかな」
アキ「……うん」
山田「俺。フリーだよ☆」
アキ「今は私も須田さん狙ってるからね」
山田「」エッ
アキ「女心は秋の空、ってね。ほら、須田さんですよ!おーい!」
山田「アキちゃん。アキちゃんじゃ勝ち目ないって。ねぇ。アキちゃん、やっぱり俺にしときなよ!」







シマちゃん→アキちゃん→先生もお気に入りです。


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