愛のカタチ





「カカシせんせーは、オレのだってばよ!!手ぇ出したらぶっ殺す!!」

 初めての相思相愛の恋だから、ナルトはカカシを片時も離したくなくて。
 誰にも触らせたくない、自分だけ見ていて欲しいといった強烈な嫉妬心や独占欲をあからさまに出してくる。
 カカシの上忍仲間は元より、同じ班員のサクラにさえ些細な嫉妬を燃やしてしまう始末。
 どんなにサクラが「カカシ先生になんて興味ないわよ。あんな変態上忍、私はお断りよ」
 と言ってもあまり効果はなく。ナルトはサクラにいつもヤキモキしている。
 カカシは、そんなナルトが可愛くて仕方のないご様子…。
 首輪をつけられ鎖で繋がれようが、身体中に落書きされようが、部屋で一日中監禁されようが一切気にせず。
 寧ろ至極幸せそうな笑みを浮かべるばかり。
 ヤマトが「カカシ先輩ってマゾでしたっけ?」
と勇気を持って質問すれば、カカシはにこりと笑って、

「俺なんかに夢中になって、あんなに執着してくれるんだよ?可愛いだけじゃない」
「え゛可愛い‥ですか?」
「可愛いよ〜。苛めるとさ、泣いてもっと縋ってくるの。もう堪んないよねぇ〜ゾクゾクするよ、ホント」

と平然と言ってのける。

「ホントは俺の方がナルトを縛りたいし、閉じ込めたいんだけどねぇ…。ま、ナルトにされた事(プレイ)を、そのまんまベットでナルトにやり返してるから、俺的には楽しいよ?あんまり過激過ぎると俺がキツくお仕置きして躾し直してるし♪」

 ナルトが迷惑掛けたら俺に報告してね、た〜っぷりお仕置きするから♪

 そう言って、やけに楽しそうに、にまにまと笑うカカシ。

「あ、ちなみに俺はMじゃないよ?ナルトは‥Mだけどねぇ」

 だらしなく笑うカカシに、ヤマトは引き攣った笑顔を向けた。

(…どっちもどっち‥なんだな‥ああ、昔のカッコイイ先輩は何処へ行ってしまったんだろう…)
 と嘆きつつも内心でこのカップルには関わるまい…とヤマトは堅く誓った。


「カカシセンセ!!」

 カカシの手をぎゅっと握り、ナルトはカカシを睨むように見上げる。

「ん〜?なぁにナールト」
「ヤマト隊長と何話してたんだってばよ!!」
「ん?大した事じゃな〜いよ」
「ム、オレには教えらんねーコトなのかよ」
「そんなコトはないけどねぇ‥」
「なら教えろってばよ!!」
「なんでそんなに気にするの?ただの世間話だよ?」
「…だって、だってさ…ヤマト隊長とカカシセンセェ‥すげぇ仲いいんだもん…気になるってばよ」

 拗ねるように俯いたナルトをカカシはそっと抱き寄せた。

「ホーント!!ナルトはヤキモチやきさんだねぇ。あんまり酷いと‥今晩お仕置きするぞぉ」
「…お仕置き‥してもいいから…教えてよ、センセ…」

 懇願するように瑠璃玉を甘く潤ませ、ナルトはカカシの服をキツく掴んだ。
 縋りついてくるナルトの可愛らしい態度に、内心ゾクリとしながらも、カカシは呆れたような溜息を大げさに吐き出した。途端にナルトの身体がビクッと震える。

「‥お前の事、だよ」
「…は?何が?」
「ヤマトと話していた内容だよ。お前可愛いいでしょ?盗られたくないからさ、ヤマトに釘刺しといたの。幾ら懐かれて可愛いな、って思ってもナルトに絶対手は出すなって。ナルトは俺のだからねって」

 カカシの発言にナルトは見る見る赤く染まっていく。

「‥んだよ…せんせぇだってヤキモチヤキ‥じゃんかよ」
「そりゃあね。若くてこんなに可愛い子が俺みたいなおっさんの恋人なんだもの。余所に行かれないかっていつも心配なんだよ?こう見えてもね」
「バッカじゃねーの!!オレってば、センセーのコトしか見えてねーってばよ?いつだってむちゃくちゃなコトしちまうじゃんか…鎖で繋いだり…とかさ」
「そうだねぇ。でももっとしていいよ?お前の愛で俺のコト‥雁字搦めにしてよ、ナルト」
「いいの?マジで?ヤじゃねー…ってば?」
「こんなおっさん、愛してくれるのナルトだけだもの。イイに決まってるデショ」

 好きだよ、とナルトの唇に口付けをすれば、ナルトは花が綻ぶように笑う。

「オレ、ガキでバカだからさ‥加減とかあんま出来ねーけど…それでも大丈夫だってば?」
「ああ、そのまんまのお前で構わないよ?どんなお前でも、俺の愛は変わらないから。安心しなさい」
「もう!!カカシセンセーってば、大好き!!すげぇ愛してるってばよ」
「うん、俺も。すごっく愛してるよ ナールト」

 独占したいナルトと束縛しあいたいカカシ…


 木ノ葉では名物的なやや迷惑バカップル




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