翔さんの思うがまま

「あーヤバい気持ちいい」
「っ、翔さ、何回目……っ」
「いつも言ってるでしょ?俺はいつでもすずちゃんに触れたいと思ってるし抱きたいと思ってるって」

 耳元で囁かれるとゾクゾクと体が震え、中の翔さんを締め付けてしまう。翔さんは悠々とソファーに座っているのに、翔さんに背中を向け太ももの上に座っている私はゆるゆると腰を動かして中へ中へと誘い込む。私の太ももを掴む翔さんの指に力が入った。大きく開かされた足の間、翔さんのそれがゆっくりと出し入れされる。

「すずちゃんってほんとエッチだね。何回抱いても感じちゃう」
「っ、やだ、」
「たまんない。もっと声出して」

 下からゆるゆると突き上げられ、唇を噛む。ぷるんぷるんと揺れる胸を長い指が包み込んだ。

「洗濯物濡れちゃうから潮吹いちゃダメだよ」

 繋がっている部分の少し上の突起を、長い指が弾く。びくんと体を揺らした私は背中から翔さんの胸に倒れ込んだ。

「すずちゃん、こんな昼間からリビングで洗濯物に囲まれて抱かれる気分はどう?」

 そもそも洗濯物を畳んでる途中に襲ってきたのは翔さんでしょ……?!そんな反論も唇がガクガクと震えるせいで呑み込むしかない。思えば朝からずっとそうだった。私は翔さんにされるがまま。翔さんの欲望を受け止めさせられ反論もさせてもらえない。何て酷いひとなの。

「はぁ、すずちゃん、愛してる。ずっとこうやって抱いてたい」

 ほら、またこうやって甘い言葉を囁いて。私から求めてしまう。ズルい。酷い。

「っ、すき、翔さ、だいすき」
「……ん」
「はなさ、ないで……っ」

 でも私の口から零れた言葉は正反対で。結局私もこうやって頭がおかしくなるほど抱かれるのが好きなのだ。
 翔さんは私の体を持ち上げて立ち上がるとソファーに上半身を押し付けた。後ろからガクガクと揺さぶられ息もできないほど感じる。しがみつくソファーが軋んで変な音を立てた。

「あっ、ああっ、激し、」
「すずちゃん、愛してる。すずちゃん、君は俺のものだからね」

 呪文のように毎回繰り返される言葉は脳を、心臓を鷲掴みにして。私は目を見開いて体を強張らせた。声にならない叫びが開きっぱなしの口から零れて、一番奥で翔さんのそれが弾けるのを感じていた。


「翔さんも手伝ってください!」
「ん、いいよ」

 ぐちゃぐちゃになってしまった洗濯物をもう一度たたみ直す。もうすぐ悠介さんや日向さんが遊びに来るのに、もう!翔さんは機嫌がいいようで楽しそうに鼻歌混じりで洗濯物を畳んでいる。ちょうど片付け終わった時、インターホンが鳴った。

「どうもー」
「お邪魔します」

 いらっしゃい、と微笑み二人を招き入れた時、不意に二人が立ち止まった。

「オイ翔!まさかリビングでヤッてねーだろうな!」
「すずちゃん、ボタン一個ずれてるよ」
「……っ!」

 日向さんが指を差した先、確かに胸元のボタンが一個ずれ、ちょうどそこから真っ赤なキスマークが覗いていた。ま、まさか翔さんわざと……!

「大丈夫ちゃんと片付けたから」

 そう朗らかに微笑む翔さんに、悠介さんと私は眩暈を感じたのだった。

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