だいすき
「この前はすみませんでした」
「いえ、こちらこそ、引き止めていいかも分からず申し訳ありませんでした」
手を繋いで、また来てしまった。高級ホテル。田所さんがまたいたのでこの前のことを謝る。困惑させてしまったのは分かっていたのに。
挨拶もそこそこに、三木村さんに引っ張られる。タクシーの中で早く二人きりになりたい、そう耳元で既に囁かれている。
エレベーターに乗るなり、ぎゅうっと抱き締められて唇を食べられた。
「ん、ちゅ、んむ」
舌を絡め、吸われ、すぐに頭の中がとろとろになる。三木村さんの手がお尻に移動し、ぐっと持ち上げられる。ひ、と小さく上げた悲鳴は三木村さんの口内に飲み込まれた。
身体が浮いた。抱っこされている。三木村さんの、硬くなった自身があそこに当たる。ぐりぐりと押し付けられて、びくっと身体が揺れた。必然的に三木村さんにしがみついてしまう。
「あっ、誰か、来たら……」
「大丈夫。スイート直通のエレベーターだから俺たち以外使わないよ」
「え、すご……。いや、あの、それに重いし……」
「奈子ちゃんめちゃくちゃ軽いよ。もっと食べないと。俺がいっぱい食べさせてあげるね。ああ、もう挿れたいよ奈子ちゃん。俺のちんこ、めっちゃ勃ってるの分かる?ほら……」
「ん、ぐりぐりしないで……」
三木村さんは私の舌を貪りながら、壁に押し付けあそこをぐりぐりしてくる。じゅん、と蜜が漏れ下着を濡らしたのが分かった。
「俺のズボンまで湿ってきたよ?奈子ちゃんのえっち」
「あっ、三木村さんが、気持ちいいことしてくるんだもん……っ」
「あー、可愛すぎ。そうだよね、俺のせいだよね。俺が大好きな奈子ちゃんをえっちな子にさせてるんだよね。最高。興奮しすぎてちんこ痛い」
その時、チン、と音が鳴ってエレベーターが止まった。一つしかないドアに向かって、私を抱っこしたまま三木村さんは歩く。とっても早足で、私は必死でしがみついた。
この前も来た寝室に着くと、三木村さんはそっと私をベッドに下ろした。とっても急いでいるみたいなのにそっと下ろしてくれるのが優しい。
「奈子ちゃん、バンザイして」
素直に腕を上げる。服を脱がされ、そして一気にブラまで取り払われる。
「やっぱり奈子ちゃんちょっと痩せた」
「仕事が忙しくて、あんまりちゃんと食べなかったから……」
「仕事が忙しいのは仕方ないけど……、心配だなぁ。俺栄養士の勉強しよ」
「えっ」
もう決定事項になっているようで驚いた。びっくりしている間に三木村さんも服を脱ぎ捨てる。均整の取れた身体はいつ見ても惚れ惚れしてしまう。
「奈子ちゃん、好きだよ」
そう言った三木村さんは、とっても優しい顔で私を抱き締めた。素肌で触れ合うのはとても気持ちいい。
「わたしも、だいすき……」
好き。好き好き好き。愛しい気持ちが溢れ出す。テレビの中の、大ファンだった三木村博也じゃなくて、今目の前にいる優しくてえっちな三木村さんが、大好き。