淫らの真似事
「んっ、はあ……」
ヨリの快感に歪む顔がたまらない。仰け反った細い首筋に噛み付きたい。
「ヨリ」
「あっ、ひな、た……」
珍しくヨリが素直なのは、久しぶりに会ったからというのもあるだろう。出張で二週間会えなかったから。寂しかった、なんて抱きつかれたら我慢する必要もないしね。
「ヨリ、俺に会いたかった?」
体を倒せば、ヨリは俺の肩にしがみつくように抱き付いてくる。しっとりと濡れた肌に舌を這わせたら甘かった。ああ、二週間、長かったな。
「日向、ひな、」
「ん?」
「会い、たかった、」
少し会わないだけでこんなに素直になってくれるなら遠距離もいいかもな。……いや、でも、やっぱりダメ。俺が一緒にいないと耐えられない。
「好きだよ、ヨリ」
一番奥まで突いて、ギリギリまで抜く。ただそれの繰り返しなのに何でこんなに気持ちいいんだろう。
ヨリははぁ、と熱い息を吐いて背を仰け反らせた。俺はヨリの体をしっかりと抱き締めて単純な動作を繰り返す。繋がっているところが溶けるみたいに、いや、そんな綺麗な表現は合わない。ヨリの一番深いところに侵入する。そして、俺は、
「っ、イく……っ」
ヨリの体の中を俺でいっぱいにするんだ。はぁはぁと浅い呼吸を繰り返すヨリをうつ伏せにしてまた侵入していく。ダランと垂れていたヨリの手が、俺が奥に入っていく度力が入っていくのが分かる。さっき吐き出した俺の精液が溢れてくる。俺はそれをもっと奥に押し込めるように、更に。
「んっ、中、ダメ……っ」
「もう遅い」
「っ、やっ、あっ……」
「ねぇ、ヨリ、結婚しよ?」
もう俺はヨリを手放さないと決めたのだ。ヨリが何て言っても。だから。
「ヨリ、お願い。ずっと俺といて」
シーツを掴むヨリの手を包み込むように握る。俺の手にすっぽりと収まるサイズのその手を、俺は引いた。
「好きだ」
後ろから抱き締めながら突くと、ヨリの声がすぐそばで聞こえてまた昂った。何回吐き出しても足りない。だから、今日は。
「とりあえず今日は朝まで付き合ってもらうから」
俺の精液がポタポタとシーツに染みを作るのを見ながら、俺はまたヨリの体を汚していった。