恋、急速上昇中。〜不器用なカレ〜 | ナノ

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「おいっ、何だよ急に!?」

 私に連れられるがまま家へ上がった鷹斗はさらに困惑しているようで。部屋の鍵をかけて私のベッドへ引きずり込むと、さらに驚いた様子で目を瞠った。

「今夜はお母さんもお父さんも遅くなるから大丈夫」

「いや、大丈夫って……」

「大丈夫なのっ! 恥ずかしいし緊張もするけど……っ、鷹斗を不安にさせるのはもっと嫌だから……だから、いつもみたいに意地悪していいから……」

「……お前、本気で煽ってんの? んなこと言われたら遠慮とかしねーぞ」

「いいよ……私も鷹斗のこと、大好きだもん。優斗なんてもう眼中にないくらい鷹斗に夢中だよ。だから……、しよ?」

 大胆なことを言っているとわかっているだけに、顔の火照りが止まらない。
 鷹斗はぐっと私の身体を抱き寄せ唇を塞いだ。

「んッ……!」

「っ……、小春……」

 小さく名前を呼び、鷹斗が優しく私を押し倒す。
 いつもならどこか荒っぽいキスも今日は甘く深い大人のような口付けで、爪先から痺れていくみたいだ。

「ぁっ……、ん!」

 下唇を挟むように甘噛みしながら制服をたくし上げ、露わになった胸元に鷹斗の手が這わされた。
 ホックが外され、零れ落ちた膨らみを大きな手の中に包み込む。

「んん……っ、は……ぁ……」

 尖った乳首を指先で摘み転がす。
 ジンジンと熱が広がり快感が走る。

「んッぅ……、はっ……あ……ん」

 何度もキスを重ねた後ようやく唇が離れ、鷹斗が吐息混じりに呟く。

「いつまでも慣れねーのは俺だって同じだっつの……」

「……嘘」

「嘘じゃねーよ! ほら」

 そう言って鷹斗が私の手首を掴み左胸へと当てる。

「あ……」

 手のひらから直に伝わってくるのは、ドクンドクンと大きく脈打つ私と同じ鼓動の音だった。

「お前のこと抱く度に余計好きんなって困るっつーのに、慣れるとかねーだろ。だいたい、ガキの頃から好きだった奴が今俺の腕の中にいると思うとそれだけで出ちまいそうになんの堪えて、結構必死なんだぜ……俺も」

 鷹斗がベルトを外し、自分のモノを取り出す。
 すでに膨らんでいるそれは、まるで獲物を前にした獣のように硬くいきり立っている。
 思わず凝視すると鷹斗は頬を薄く赤らめて視線を逸らした。

「ほらな、恥ずかしいのもお互い様だろ」

「……うん」

 胸がドキドキするのも、緊張で震えるのも、それだけで頭がいっぱいになるのも。初めて身体を重ねた時から何も変わっていないのは私だけじゃなくて鷹斗も同じなんだ。
 もしかしたら、恋ってそういうものなのかもしれない。

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