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私はもうどれくらいここにいるのだろう。
黒いカーテンが外からの光を遮断し、時間さえも分からない。
気が遠くなるようなとてつもなく長い時間が経ったように感じられるけど、きっと現実はものの数分しか進んでいないのかもしれない。
真っ白なベッドの上。
格子へ固定するように頭上で縛りつけられた手首は赤みを帯びていて。
下肢もまた、大きく開かれた状態で拘束されていた。
布一つ身に付けていない身体は軽く汗ばみ、剥き出しになった陰部は風が触れる度にビクビクと震えた。
テーブルの上に置かれたバッグの中で私の携帯電話が鳴り響いている。
だけど……それを手にすることすら、今はかなわない。
ただ一つわかるのは、ここが"彼の部屋"だということ。
「はぁっ……、あ……」
身体の芯から滾る熱に堪らず甘い吐息が零れる。
無意識に腰をくねらせると、まるでその瞬間を見計らったかのように、ガチャ…とドアノブの回る音が耳に届いた。
「……っ」
待ち構えていた悦びと恐怖に身震いする。
扉の間から姿を現した彼は鋭くこちらの様子を窺い、上から下まで舐めるような視線を這わせていた―――。
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