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「ねぇ、創って……結構女の子にモテるでしょ? いや、うん……聞くまでもなくモテるよね」
お休み前のハーブティーを啜りながら突拍子もなく呟いた私に、隣でカーテンを引く創がこちらを振り向いた。
「はい? 何か仰いましたか、お嬢様」
「……聞こえてたくせに。その反応は図星ってこと」
小さく頬を膨らませると創は大袈裟に溜め息をついてみせる。
「何だよ。いちいち突っかかってくるな」
「だって! ……気になるじゃん。創ってほら、顔はいいし、何やらせても完璧にできちゃうし、外面もいいし。女の子はみんな放っておかないよなぁーって……」
今さら気にするのもどうかと思うけど、一度気になるととことん掘り下げてしまいたくなるもので。
ちらりと視線を送る私に創は今一度息を吐いた。
「はぁ……ヤキモチ妬くならもっと可愛く妬けよ」
「べっ、別にそんなんじゃないもん! ただちょっと気になっただけっていうかっ……」
「へぇ? それをヤキモチって言うんじゃねぇの?」
まるで心を見透かしたように意地悪く笑う。
問い詰めるはずが逆に図星を突かれてしまい顔を真っ赤にして俯くと、創は私の目の前に顔を近づけて、覗き込むようにしながら両手で頬を包んだ。
「そうやっていつも俺のことで頭いっぱいにしてるお前を俺は愛してる」
甘い声が耳を掠め、優しく唇が重ねられる。
長いキスをしながら自然と私を押し倒す形でベッドに横たわり、創は唇を離すと首筋をぺろりと舐め上げた。
「んっ! はぁ……っ」
ぞくぞくと肩を震わせた私に創はふっと笑みを浮かべて囁く。
「ほらな? この顔が好きだ。刺激が欲しくて堪らないって顔。欲情したお前はどの女よりもそそる」
「っ、創のエッチ……!」
先ほどの愛の言葉もこれでは台無しだ。
恥ずかしくてトンと叩いた私の手を創がぎゅっと掴み、もう一度肩に顔を埋めて肌に舌を這わせる。
「今日はずいぶん反抗的だな。そんなに構って欲しけりゃお望み通り―――」
静かに囁き創はするりと胸元のタイを緩めベストを脱ぎ捨てた。
肩から首、首から耳をそっと撫で上げるように舌を動かしながら私のワンピースを捲り上げ下着を剥いでいく。
「やっ、ぁ……くすぐった……、ひぁっ!」
私に抵抗する隙も与えず、創の指が胸の尖端をきゅっと摘む。
人差し指で突つくように刺激しながら、執拗に耳の中を舌で愛撫されじくじくと身体の芯が疼き始めた。
「っふ……、ぁ」
下半身の力が抜けていく感覚に堪らず声が漏れる。
「ん、ぁ……はぁっ……」
「ふっ……これくらいじゃ満足できねぇよな? お前の身体は」
こうなってしまってはもう主導権を握る彼の手を跳ねのけることなどできるはずもなく、いつものように快感に身を委ねる。
が、私の期待に反して創はなかなかそこを触ってはくれない。
「創っ……、んん、コッチ……も、っ……」
早くその熱を鎮めたくて自ら彼を求め腰をくねらせる。
それでも創は胸を優しく愛撫するだけで、一向に私の望みは叶わないまま。
焦らされている合間も蜜はどんどん溢れてくるのがわかる。
「何だよ、自分の手が空いてるだろ?」
「え……っ、ぁっ……」
創が私の手首を掴んで下腹部へと持っていく。
促されるままに、すでに湿ったそこに自分の指先が触れた。
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