官能遊戯 | ナノ

p.3

「ちょっ、ちょっと待ってください! 何してるんですか、恭也さん!?」

「何って……君の動作がいちいち遅いので、僕が脱がせて差し上げようかと」

「な、何で脱ぐ必要があるんですかっ! 私はただ執筆が捗るように掃除やお茶淹れを……」

「誰がそんな雑用を頼んだのですか。君にできることと言えば、一つしかないでしょう?」

 彼は私の首筋にそっと唇を近付けて笑みを浮かべる。

「ご存じの通り、次の原稿には女性向けの官能シーンが入るんですが……どうしてもそこが上手く表現できずに困っていたところなんですよ」

「だからって、私が脱いでどうするって言うんですか……!?」

「決まってるでしょう。君にそのシーンを実演してもらうんですよ。僕の描いているイメージをより具体化するために……ね」

 不気味にそう囁くと、片手で私を抱いたままもう片方の指で器用にブラウスのボタンを外していく。
 起こっている事態があまりにも信じられなくて大声を上げることも忘れていた。

「もっと抵抗してくると思いましたが、意外と大人しいんですね。そのまま素直でいてくださいよ? 作中では、傲慢な上司が可愛らしい部下と関係を持ち、後の恋愛に絡んでいくという設定ですから」

 言いながら彼は私の下着の隙間から手を忍ばせて胸を弄り始める。
 細長い指が繊細に胸の突起を刺激した。

「っ……! だめ……っ、やめて、ください……!」

 理性が強く抗うも身体はビクビクと震える。
 そんな私に彼は耳元でそっと囁く。

「怖いことはしませんよ。君は僕に身を預けて、感じるままに受け入れればいい。お分かりですか?」

 そんなことわかってたまるものか、と心の中ではそう思っているのに。
 まるで呪縛されたかのように身体が火照って止まない。
 彼はゆっくりと胸を撫で回しながら唇を重ねた。

「んっ……、んむ!」

 抉じ開けるように舌が入り込み熱く絡みつく。
 呼吸が荒く乱れ、どんどん脚の力が抜けていく私の身体を彼は抱き止めて小さく笑う。

「……くす。移動しましょう。本当に嫌ならそんな顔はしないはずですよ。理紗さん」

「っ、違……」

 否定するよりも先に彼が私の脚に手をかけると、ひょいっと軽々と持ち上げた。

3/7

/ top /
短編小説top

×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -