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「悠! いらっしゃい」
大好きな彼の訪問に、私は顔をほころばせて迎え入れた。
たった数日ぶりに会うだけで日に日に大人びていくように感じる悠の姿に、最近ドキドキしてしまうことが増えた私。
子供の頃から見慣れているはずの顔もとても男らしく見える。
思わずいつもの癖で飛びついたが、すぐにハッと気付いて距離を取る。
「ん? どうしたの、陽菜。恥ずかしがるなんてめずらしいね。それに、今日はお迎えのキス……してくれないんだ?」
「うっ……」
明らかに不自然な私の態度に悠は軽く笑って意地悪を言う。
「だって……」
「うん? どうしかした?」
顔を覗きこまれるとさらに頬が熱くなるのを感じて私はくるっと体の向きを変えた。
「な、何でもない! 早く上がって」
「……?」
悠は少し不思議そうに首をかしげたが、私は強引に彼の腕を引いた。
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