12 ごめんなさい 『んん…』 目を開けると白い天井。 ぼやける視界の端に人影があった。 『……京ちゃん?』 だんだんと視界がはっきりしてきて、体を起こす。 京ちゃんではなくそこにいたのは、座ったまま寝てしまっている静雄さんだった。 時計を見ると4時過ぎを指していて。 おそらく昼休みから私は寝ていたから、軽く3時間以上は経ってしまっていた。 静雄さんはずっと待っててくれてたのだろうか? でも。だとしても。今静雄さんに会うのが怖い。なんて言われるか不安で仕方ない。どんな顔して話せば良いのか分からない。 私は足元に置いてあった、保健室の常備品であろうタオルケットを静雄さんに掛けた。そして起こさないように、そっと保健室を後にした。 ごめんなさい、ごめんなさいと心の中で何度も唱えながら。 [しおり/戻る] |