カゲロウネタ

◎長編男主とコウタ◎



8月15日の午後12時半くらいのこと

今日も贖罪の街はすっげー天気がいい

少しくらい雨が降ったっていいんじゃねーのとか思うけど

このご時世仕方ないよなぁ、なんてなまえと話ながら進むんだ

病気になりそうな程眩しい日射しの中

ターゲットであるオウガテイルを探しながら駄弁っていた

『でもまぁ、夏は嫌いですね』

神機と腕輪を見ながらなまえが言う

「なまえ嫌いとかそうそう言わないのに、珍しいな!」

『そうですかね?……コウタ』

「ん?あぁ、ターゲット発見か。よぉし、いっちょやってバガラリー見ようぜ!」

『先陣は僕がきります』

「おう!」

オウガテイルの後ろ姿を追いかけて

なまえが飛び込んでしまったのは

ヴァジュラ達の
カルネヴァーレ
肉 食 際

バッと襲いかかるアラガミが

なまえを貪って啼き叫ぶ

血飛沫の色

なまえの香りと

混ざりあって噎せ返った

嘘みたいなカゲロウが

―嘘じゃないよ―

ってワラッテル

夏の白銀 掻き回すよな

アラガミの咆哮に全て眩んだ

































目を覚ました時計の針が鳴り響くベットで

「今は何時?」

8月14日の午前12時すぎ位を指す

やけにうるさいアラガミの咆哮を覚えていた







不思議だよなあ

同じ贖罪の街で同じ任務

「そういや変な夢見たんだよなぁ」

昨日見た夢を思い出した

『コウタ、ターゲットですよ。先陣は』

「あ、なまえ。別ルートで追い込もう……あっちは嫌な予感がする」

『……?わかりました』

細い道を抜ければ、ターゲットであるオウガテイルがいた

『いきましょう、まだ気付かれてません』

オウガテイルは上を見て口を開けていた

その視線の先は

食べ残し
廃 建 物

落下してきた鉄柱が

なまえを貫いて突き刺さる

つんざく悲鳴とアラガミの声が

木々の隙まで空回り

わざとらしいカゲロウが

―夢じゃないよ―

ってワラッテル

眩む視界になまえの横顔

笑ってる様な気がした






―バガラリー見ようぜなまえ!―

―コウタ、これから任務ですよ?―

―ない!任務なんてないって!―

―……しかたないですね―

―よっしゃぁ!…って、地震?!―

―みたいですね…―

―なまえ、上!!照明がっ!―





何度世界が眩んでも

カゲロウがワラッテ奪い去る

繰り返して何十年?

もうとっくに気が付いていたろ?

こんなよくある話なら

結末はキット1つだけ

繰り返した夏の日の向こう…









バッと押し退け飛び込んだ

瞬間

ヴァジュラの牙が突き刺さる

血飛沫の色

なまえのオッドアイと

軋む体に乱反射して

文句ありげなカゲロウに

「ザマアみろよ」

って笑ったら

実によくある夏の日のこと

そんな何かがここで終わった








目を覚ました8月14日のベットの上

なまえはただ

『また、ダメでした』

とひとり腕輪を抱え込んでいた






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本当に思いつきw

思いの外シリアスになったw
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