「すみません、荷物を見ていないといけないので…」 「そうですか、残念ですけど仕方ありませんね」 安室さんは本当に残念そうに言って、荷物を見た。 「おや、スイカですか」 「美味しそうでしょう。後でみんなで食べましょうね」 「いいことを思いつきました。スイカ割りしませんか?」 「スイカ割り?」 「荷物から離れなければ大丈夫ですよ。ほら、ちょうど良い棒もある」 拾った棒を軽く振って安室さんが言った。 「それは楽しそうですね。僕も混ぜてくれませんか」 「昴さん!」 車の中にいたはずの昴さんがいつの間にか私の隣に立っていた。 安室さんの顔に挑戦的な笑顔が浮かぶ。 「それでは、お手並み拝見といきましょう」 「いえ、スイカを割るのは彼女ですよ」 「えっ」 「ああ、それがいい。僕と彼とでスイカの場所を教えますので、その声を頼りにスイカを割って下さい」 「ただし、本当のことを教えるとは限りませんよ」 「ええっ!?」 スイカ割りに挑戦する スイカ割りをやらない |