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それが一週間前の出来事だ。
赤屍の誕生日まで一週間を切った今日、聖羅はまだ悩んでいた。

(ど…どうしよう…)

赤屍の部屋でいたすコトをいたした後、シャワーを浴びて服を着替えてからリビングに向かう。

そうして歩きながらも、頭の中は誕生日をどうするかという事でいっぱいだった。
途中ちょっと足がふらついたが、へたりこむほどのダメージはない。
初めは勿論そうはいかなかった。
立とうとしても下半身にまったく力が入らず、生まれたての小鹿みたいに脚がブルブルしてしまったのも良い思い出だ。
今では、おかわりが欲しくなったら自分から毛布の中に潜り込んで男のものを口で育てておねだりするぐらいまで調教が進んでいる。

リビングへ続く廊下には、甘く香ばしい匂いが漂っていた。
砂糖が焦げる匂いと、バニラビーンズの甘い香り。
どうやら今夜のデザートはキャラメリゼらしい。

「起きましたか」

キッチンにいた赤屍が廊下に出てきて聖羅に微笑みかける。
やる事をやった後だけに、素肌に黒いシャツを羽織っただけの姿が、何だかやけに色っぽく、なまめかしい。

「はい、シャワーお借りしました」

「構いませんよ。もう少ししたら呼びに行くつもりでしたから」

クス、と笑んだ唇。
それが自分の肌にどんな風に触れて、どんな快楽を与えていたかを思い出し、聖羅はちょっと頬を赤らめた。

「ですが、少し寂しくもありますね。以前は動けない貴女を私が洗って差し上げていたのに──」

「あ、赤屍さん!」

腰を引き寄せられ、抗議をあげる唇に軽くキスをされる。

「向こうで待っていて下さい」

「えっと…お手伝いすることは?」

「いえ、大丈夫です。貴女があまりに可愛らしいので、いま傍にいられては余計なちょっかいを出してしまいそうですから」

「…向こうで待ってます」



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