獅子と蛇の秘密関係  [ 8/31 ]



H,G Side

あれからお礼が言えなかった。
ハリー達とハグリットの所へ行ってなんとかナメクジの件は大丈夫だったけど…
問題はアルディスの方。実はアルディスと話したことは二、三回しかない。
でも会話の内容はとても濃くてとても有意義な時間だった。
寮も違うし、なかなか時間が合わなかったのもあるけど、また話したいと思った。

あの事件の後、アルディスがいると聞いた救護室へ向かった。
彼女は案の定、授業をサボっていた。
目は少し赤く腫れていて、私達は人気の少ない裏庭のベンチに腰掛けた。

「昨日はありがとう、とても助かったわ」
「ううん・・・ごめんね・・・」
「なんで貴方が謝るのよ、私こそごめんなさい」
「気付いたら勝手に行動してたの・・・ほんと、ごめん」

アルディスとドラコは幼馴染らしい。
幼馴染だから変わりにと思って謝ったのかしら。

「えっと、それで私の変わりにマルフォイを殴ってくれたの?」
「・・・うん」

なんていう子なのたった二、三回しか話したことのない私に
どうしてそんなことが出来るの?貴方、本当にスリザリン生?心が綺麗すぎるわ。

「あんな、大事にしてしまって・・・」
「アルディス、貴方って最高だわ!」
「・・・え?」

私は彼女に向き合って手を取った。
アルディスは大きな瞳をパチパチさせている。

「どうして貴方みたいな勇敢な子がスリザリンなの?」
「えっとー・・・」
「どう考えても貴方はグリフィンドールよ!」
「あ、ありがとう・・・嬉しい」

アルディスはふわりと笑って、その後色々と悩みを打ち明けてくれた。
スリザリンは私に合わない、居心地が悪い、だから研究室にこもりっきり、本当に色々たくさん。
そして、マルフォイのこと―――。

「あれから無視してしまっているの」
「それでいいと思うわ、向こうが100%悪いもの」
「・・・そう、だよね。あ、大変!マクゴナガル先生に呼ばれてるの」

そう言って走り去るアルディスの背中にまた話しましょう!と言った。
彼女は笑顔でうん!と言って廊下を曲がった。これから罰則を受けに行くんだわ。
かわれるものならかわってあげたいけど・・・
バレてしまったら彼女にさらに重い罰則が科せられてしまう。
私の心は泣いていた。私はなぜマグルなの?親が嫌いな訳じゃない。
マグルで何が悪いの?頭が混乱する。私も今度、彼女に話そう。

それから私達はお互いのことを曝け出し合った。
こんな話を同い年の女の子としたのは初めてで、いつしか私達は
お互いを信頼し合う仲となった。ああ、ほんと貴方がグリフィンドールだったら、
もっと早く貴方の存在に気付けたのにね。


  


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