あーロビンが足りない





約束を交してからまだ3日しか経ってないのに、あたしはもう弱音を吐いてる。

ひたすらに勉強して頭の中に知識をたくさん詰め込んでも、手を休めて一息ついているとすぐにロビンのことを考えてしまうから。


大体あたしにとってロビンはビタミンみたいなもので、きちんと摂取しなければ途端に調子が悪くなるのよ。


顔が見たい。
声が聞きたい。
甘い香りに満たされたい。
柔らかな体に触れたい。


悶々。
このぎらぎらした感情を持て余しながら、ノートの上にシャーペンを走らせなるべく沢山の問題をこなす。

誰かあたしの煩悩をかき消してください…


もうほんとにロビンが足りない











「あーもーウソップ先生めっ」


化学の試験範囲がうんざりするほど広いから放課後の教室で一人ぽつんと残って勉強してるわけなんだけど。

明日はもう試験だから必死にテキストとにらめっこ。


馬鹿なんじゃないのっ
こんなに課題出すなんて
しかもウソップ先生のやつ全然白衣似合ってないのに毎日着てくるし。

あまりにも追い詰められて、試験範囲と全く関係ないウソップ先生の白衣の件まで持ち出す始末。

膨大な量の試験範囲を目の前に、くじけそうになって思わず机に突っ伏す。

まったく、いつかあの鼻へし折ってやる……


ノートに顔を埋めながらウソップ先生への恨み事をぶつぶつ呟いてたら、ガラガラと教室のドアが開いた音がして勢いよく顔をあげるとそこにはロビンがいて。



「ロビン!?」

「あら、やっぱりナミちゃんだったのね
勉強頑張っているようだけれど今日はもう暗いわ」

そう言ってにこにこしながらあたしの席の方に近付いてくるロビン。

う、うわー
久しぶりの生ロビン…


「う、うん
もうそろそろ帰ろうと思ってたところだから」

たった3日会ってなかっただけなのに、ロビンがそばにいるだけで心臓がばくばくする。
なんかまともに顔が見れない。


「ナミちゃん、1番はとれそう?」

「あ、当たり前でしょ
あたしを誰だと思ってるのよ」

「……もし1番になったらどんな命令をされるのか想像するのが恐ろしいわ」

言ってることとは裏腹に、ロビンは余裕そうで少しむかつく。
なんとしても学年トップになってやるんだから。


「ところでナミちゃんはなぜさっきからこっちを見ようとしないの?」

「…………」

「ナミちゃん?」

「今ロビンを見たら抱きしめちゃいそうだから
……久しぶりに会えたから、さ」

「…………」

素直に自分の気持ちを打ち明けたら急にロビンが黙り込んだから、心配になって顔を上げようとしたら


いきなりロビンの顔が近付いてきて、ちゅってキスされた。

唇じゃなくて、口の端ぎりぎりに。


「えっ あっ ろ、ろびん!!」

びっくりしてロビンを見たら、少しだけ困った顔をして恥ずかしそうに笑ったから
こっちまで恥ずかしくなって胸がはりさけそうになった。


うれしいけど、
ものすごくうれしいんだけど

「成績が発表される日までロビンに触らないって言ったのに……」

これって約束違反だよね。
うーん、どうしようって考えてたら


「……わたしからナミちゃんに触れるのは…問題ない、でしょう?」

少しためらいがちに言ったそのロビンの一言に見事にノックアウト。


「ロビンも、寂しかった?」

そう問いかけたら、ロビンは恥ずかしそうに顔をうつむかせて


「………察して」


あーもうっどれだけ好きになればいいのよ!!
好きになっても好きになっても果てがなくて爆発しそうっ

かわいいいい
なんかもうかわいすぎて食べちゃいたいわっ


感極まってを抱きしめようてしたら、ロビンがすかさずあたしから距離を取って、

「ナミちゃんから触れるのは、約束違反だわ」


そんなあー
そんなの生殺しすぎるわっ


「ロビン、おぼえてなさいよ!!」







あたしのこの煮えたぎった煩悩をもてあそんだ罪は高くつくんだから。






<あとがき>
天然なロビン先生に見事に振り回されるナミちゃん
久しぶりに会えたナミちゃんに思わず勇気出してキスしたロビン先生だけど、禁欲中のナミちゃんには逆効果ですね
次で今度こそラストです






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