大好きを表した


ホワイトデー…。

聖バレンティーノにチョコを貰ったかわりにプレゼントをやる日。

「らしいけど。」



只今ジャッポーネに絶讃長期任務中。
一ヶ月前に魅月にチョコ貰ったはいいけど、ホワイトデーなんて知らねーし。

だいたいジャッポーネってバレンティーノ間違ってんだろ。
なんだよチョコ渡す日って。
確か愛を確かめる日だか感謝を伝える日だか…
あー王子もよく覚えてね。
でもそんな感じだろ?


別にプレゼントやるのが嫌なんじゃなくて。
欲しいものがあればいくらでも好きなの買ってやるし。

そうじゃなくてなんで俺がこんなイライラしてっかって言うと、

「決まらねーんだよ、」

あーもーなんで王子がこんな悩まなくちゃいけないわけ?
魅月に聞いても何でもいいって言うし。
ベルの愛が篭ったモノなら何でも…って…

それじゃ、変なモノやったら俺が愛してないみたいじゃん。
もちろんすっげ愛してんぜ?だからこんなに悩んでんだけど。


安っぽいもんやりたくねぇし、
かと言ってただ高いモンやってもテキトーっぽいじゃん?
手作りとか無理だし

ほんとどうしよ、

「何かお探しですかー?」
「あ?」

近づいてきたのは店員。
そういえばこの辺うろうろしてもう結構たつな、
そりゃ声もかけてくるか…

「ホワイトデーのプレゼントですか?」

一瞬怯えたような表情をした店員はそれでも怯むことなくまた尋ねてきた。

そっか、悩んでんなら聞いちゃえばいっか。女の目から見た方がいいの選べるかもだし。

「あー、そう。」
「彼女さんへですかー?」

でしたらー …うんたらかんたら。
なんだかイロイロ言いながらとりだしたのはペアのペンダント。

「ペア…」
「カップルには人気なんですよー」

でも、なんかありきたりじゃね?
つーかなんか可愛らしすぎてあいつには良いけど王子の趣味じゃねぇ、ていうか。
なんでこの店員が選んだもん王子がつけなきゃいけないの?

とまぁ、なんか変な不満を抱いてその店を去った。

やっぱり王子が自分で選ばなきゃな。
ちょっと閃いちゃったし

「うししっ王子ってやっぱ天才かも」

かもじゃなくてそうなんだけど。



***

「ん、魅月」

「わ!ありがとベル!」

あけていい?
王子が渡した小さな包みを手に、嬉しそうな顔して尋ねる魅月。
あーまじ可愛い。なにこの生き物、王子殺す気?


「ペンダント?あ、これって…」

包みの中身を見てから王子…と、その頭に乗ってるものを確かめるように見る。

「ししっ、おそろいな」

ペンダントトップには王子のティアラをモチーフにした(ていうかミニサイズの)もの。
一目で魅月は気付いたらしい。さーすがっ

ちなみに、材料も同じ。
王子がいつもつけてるティアラを加工させた。ってことで、いま頭に乗ってんのはスペアなわけだけど

「これでいつでも一緒だね!」

ベルをもらっちゃったみたい
なんて幸せそうに笑うから「お前はすでに俺のものだけど。」なんてジャイアニズムは発動させずに、

「王子は姫のもんだからな」
ってちょっとらしくなさげなことを言っといた。

たまにはこんなのもいいだろ?
だってなんかすっげー満たされた気分だし






「うししっ」

とりあえず抱きしめといた。




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