■掌サイズのミニマムリッドさんがガラス小瓶に入っててそれをユーリが餌付け&飼育してたら可愛くね?(ユリリド)
※掌サイズのリッドさんinガラス瓶(端的に言うと支部にあるアレ)

仄かに湯気を立てる紅茶と、ふんわり焼きあがったシューを積んだ皿をトレイに乗せてユーリは自室に戻る。
テーブルの上に置かれた、透明なガラス小瓶
横から覗き込むと、赤い髪をした妖精・・ではないが、御伽噺の中から飛び出して来たかと紛う如き可愛らしい小人の恋人がすやすやと寝息を立てて眠っている。
コツコツと小瓶のサイドを爪で叩くが、起きる気配を見せないので、仕方なしにそっとコルクの蓋を開ける。

「おーいリッド、おやつの時間だぞー」

瓶の中に向かって声を発すると自分の声が微かに反響し、そしてリッドがゆるゆると目を覚ました。んー・・、とまだ眠たげに目を擦っている。
そんなリッドの様子に、ユーリは自作のシューを皿から一つ手に取ると、瓶の入口に持っていった。
ふわりとバニラが香り、コーティングされたチョコの甘さを想像してユーリは口角を上げる。
サクッとしたシューの皮の食感を大切にしつつも、生クリームのホイップとカスタードをたっぷりと入れて、ふわふわとした夢の一品に仕上げている。

ユーリお手製のシューを目にしたリッドは喜び勇んで腕を伸ばしぴょんぴょんと跳ねるが、残念。お目当てのシューにはほんの少し届かない。
リッドの小さな手がギリギリ届かない高さにシューを持っていきながら、ユーリはニヤニヤと笑った。当然リッドは不満気に頬を膨らませる。

「あっおい馬鹿・・」

ならば瓶からの脱出を図ろうと、リッドは瓶に向かってタックルを決めた。
瓶が横に転がれば出られると考えたのだろう。
しかし瓶の中に居るリッドにも当然、瓶が倒れた反動が襲い、リッドは全身をビターンとガラスに打ち付けてその衝撃できゅうと目を回してしまった。
やれやれと肩を落としたユーリは倒れた瓶を戻し、リッドが再び目を覚ますのを待って、指に掴まらせて引っ張り上げてやった。

自身の身体以上に大きなシューを抱え、リッドはぺたんとテーブルに座る。
あーんと精一杯口を開けてかぶりつくと、もぐもぐと口を動かしながら満面の笑みを浮かべた。
そんな様子を見守りながら、ユーリはリッドのほっぺについたクリームを指で掬い取ってやり、ペロリと舐める。ふむ、概ね満足のいく出来栄えだな。

「にしてもお前、ぷにぷにだな」

ユーリはそう言って、柔らかなリッドの頬を指でうりうりとつついた。



オチはリッドさんが食べました。

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