感情論 | ナノ



00.prologue








まだ、朝陽ののぼる、はやい時間。





遠ざかる車を見送る少女。





一人残された校門で、小さく口ずさむ。




それは哀しいうた。



それはちいさくて、ちいさくて。



きっと彼女にも聴こえない。







朝の空気が冷たい。



真っ黒な髪を流したまま、




自寮の方へ、足をすすめる。







もう、彼女を送り届けた車は見えない。







00.prologue
(そうしてまた、月曜日が始まる)