明け方、ベッドの隅での四木視点
朝5時。人間、この時間と意識すれば起きれるものなのだなとういを起こさないようにベッドから起き上がった。いつもなら、気付かれずに家を出られるのに今日は目を覚ましてしまった。寝起きが悪いのか視線だけがこちらを見ている。
「……起きてるのか?」
「うん」
特に引き止めてくる様子もない。そのままベッドから出て、クローゼットに置いてある服を着て、帰り支度を始める。布の擦れる音が聞こえてベッドを見れば、ういが布団にキツくくるまっていた。やはりまだ眠いのだろうか。寝ていてくれた方が俺にとっても都合がいい。情が入らないうちに、さっさと玄関口へ。
一回りも年の離れているういに俺はどう考えても悪影響で。けれど、俺が初めての男だなんて言われてしまったら簡単には手放せなくて。好きだと素直に思ってしまって。
一旦立ち止まってしまったが下で迎えを待たせてあると思い立ち、また夜に来ると一緒にいたい気持ちを抑えて聞こえてるかわからないがそう言って、扉の鍵を閉めた。早く別の男でもつくってくれればいいのになんて、そんな奴ができた日には俺はどうしてしまうのだろうと階段を降りながらそんな事を考えるのだ。
title:サディスティックアップル