// ねこは幸運のおまもりなので








xxxを降ろすつもりの隣島では、港町でちょっと目を離した隙にxxxが女に刺されそうになり下船は先延ばしになった。
降ろすつもりだったからもう目は離していいはずだったのだが、年若い娘が発する怒気ではなく無視できなかった。知らぬうちに彼女の婚約者を骨抜きにして奪ってしまっていたらしい。本人も婚約者だとは知らなかったと謝ってその場は収まったが、これは握りしめられた包丁に怯えて私を盾にしていた時に困った顔で"覚えていない"と言ったため、私がぶん殴って知らなかったと言わせただけだ。こいつを近海に降ろすとよくない。

その後もおよそ人間が住めそうにない島がいくつか続いた。
久々の上陸に、賑やかな港町の中でも大きめなバルをほとんど占領するかたちになった。地下1階から1階までの客席を埋めてしまい、2階から上の宿には押さえられるだけ部屋を押さえてチップも弾んでおいたので、店側の表情も明るい。宝払いだ。明るく愛想のいい3人の看板娘たちをどんな方法でベットへ誘うかを皆が考えていることだろう。

時計の針が頂点を過ぎ、私を2階の自室へ誘い出した給仕着のままのキャフェリーが脚を開いてまたがり、彼女の緩やかにウェーブしたブロンドが肩に触れたところだった。ずっとトイレが塞がってる、との苦情が申し訳なさそうに扉を叩いて入ってきた。


「部屋でやれ」

二箇所のトイレの片方は酔っ払いが詰まっているだけだ。地下の一方が問題だった。
引っかかる扉を単純に腕力で押し開け、一喝すると慌てて下半身をしまいながら男が数名出て行った。端のテーブルでカードしてたごろつきか。

「んぇ、レイリーありがとお」
「レイリー"さん"だ」

放り出されらしいxxxが床に腕をついて体を起こし数回咽せたあと、助かった、と口元を拭った。お前も下半身をしまえ。

「なんか2人だったと思ったら、いつのまにかいっぱいなってた」
「5人いたぞ」
「最悪」

見つからない下着を諦めてそのままハーフパンツを履いたので顎で指してやると拾ってポケットにいれた。履け。



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「女の子連れ込んでないんだ?」

自分より大柄の男何人にも囲まれて、少しはこたえてるかと思ったのは要らぬ心配だったらしい。ひどい状態だったので自分が寝る部屋のシャワーに押し込むと、烏の行水のような短時間で出て来て部屋を見回し、ベッドに脚を上げて本を読んでいる私を見ながら不思議そうな顔してそう言い放った。
何もお前を優先したわけじゃない。キャフェリーの部屋には鍵がかかっていて、今夜することがなくなったからだ。済んだことは仕方がない。柔肌に包まれることは叶わなかったけれど揺れてないベッドというだけで差し引きプラスの夜だ。黙って本を見上げるのに戻る。足元のベッドのスプリングが軽い膝の重みで沈んだのを感じた。

「じゃ俺、お礼しよっか」

猫のように四つ足で私の脚を跨いでいる。ボトムス越しに膝頭から腿までをを指先五つが滑るのを感じて本を閉じた。ナイトテーブルの読書灯の明かりと、廊下の向こうのシャワールームからの付けっ放しの微かな明るさの中で、緩く結ばれたタオル生地のバスローブが重力に従って垂れる。

「おい」
「お詫びお詫び、いーから目瞑っててみなって」

私が蹴飛ばすのを期待していたのか、蹴飛ばさないのを期待していたのか。どうせ考えても理解できず腹が立つだけだ。
腿の付け根を親指の腹で揉んでいたのをそのまま好きにさせてみることにした。情緒なくベルトを抜くとまだ濡れてる黒い髪の毛を耳にかけて、こちらに舌を見せてから舐め始めた。口を開けて私に見せつけるように先端から咥え、唾液たっぷりに吸い上げ、持ち上がってきた玉まで美味そうに唇が刺激する。焦ったいほど丁寧に舌先が裏側を撫ぜるのがたまらない。ことのお預けをくらって燻っていた熱に火がついて、立ち上がるまで時間はかからなかった。これはこれで、腹が立つ。
体を起こし、xxxの顎を持ち上げるとやっと口から出した。興奮からか、頬が赤い。尻を掴んでこちらに引き寄せ、そのまま仰向けにひっくり返した。

「お?」

唾液でいやらしく光る男性器をなだらかな尻の谷間に擦り付けた。まいった。いつもより硬いな。

「え、え、レイリー、男、いける?ちょ、うゎ、ねえ」
「お礼だろう」
「ぁだって、いつも、まってまって」

人のものを好き勝手しゃぶっておいてここで待てか。

「アッ、ダメまだ、ッ、ぁ!ーーーッ」

先端をふっくらとした窄まりに宛てがい、ぐっと押し込むと膝が跳ねた。侵入を拒むように両膝が私の体を挟む。体重をかけるとそのまま自身がみるみる埋まっていく。
体内温度の内臓の壁がぎゅうと私を排斥しようとする。拒むようでいて、抗えないその力でぐいぐいと奥へ連れていかれる。入り口がキツくて、奥はふかふかしている。ひどく柔らかい。押さえた腿は柔らかく、不規則に痙攣している。私が大きく突き入れないように私の腹に手が伸ばされた。根本まで納めようと腰を進めると窄まりが伸びきって、柔らかい皮膚が緊張している。

「まだ、だって、ぇ」

放縦極まりない猫が腕に収まって私の与える快感に震えている。苦しそうに眉根を寄せ、浅い呼吸を繰り返している。

「入ったじゃないか」

そう言って見下ろすと涙が溜まった瞳で一度睨まれて、またすこし苛つくような擽ったいような感覚がした。
この感覚は、何かな。手がかかるから苛つかされるのか?

「少し意地悪し過ぎたな」
「んぅ、ぬれない、から、ゆっくり、ッ、ゆっくり、して」

僅かに怯えを含んだ声に従い、ゆっくりと引き出して、粘膜が引き留めようとついてくる悩ましい感覚を楽しみ、同じだけ時間をかけて同じ位置まで埋める。弛緩していた体に力が入っていき、また力が抜けた。同じ速度で奥へ戻ると再び肢体に力が入り、押さえている腿裏が揺れる。殊更時間をたっぷりとかけて顔を見ながら自身をぎりぎりまで引き抜くと、抗えない快感から逃げようと顔を背けて唇を噛んでいる。喉の奥で声を飲み込んでいるようだ。腹に突っ張っていた指が力無く滑り落ちる。
なるほど、気持ちよさそうだ。浅い呼吸の合間に譫言のように何か呟いた。

「は、あ、うわぞり、やば」




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