01
あるところに、"暴君"と呼ばれたとても酷い王様がいました。
その王様は、国の大臣たちや、民に酷いことをしたりしていました。
たべものをとりあげてしまったり、大臣たちのお仕事をうばって城から追い出してしまったり。
とにかく、ひどくつめたい王様だといわれていました。
そんな王様をうらんだり、ねたんだりした人たちはたいそういました。
王様のまわりは、敵だらけだったのです。
ただ、お后様だけは王様の味方でした。
お后様は国中の人に愛される優しいお心を持った人でした。
そんなお后様がいるからこそ、いままで王様は民や大臣に何を言われても平気でいられました。
そんなある日。
お后様が城下町へと散歩に出かけました。
お后様は国中の人々に好かれているので、みんなから歓迎されました。
そんなとき、小さな子供がお后様に駆け寄って聞いたのです。
「どうしてあんな王様と一緒に暮らしているの?」と。
お后様は、こう答えました――――
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