01
傷は思ったよりも早く治り、レイラたちは村を発った。
ブ「気をつけていくんだぞ・・・・それと南の大陸への行きかたは・・・」
「あぁ、はいはい、何度も何度もいわずとも分かってますよ、まず南にいって船捜してそれからその船乗って・・・・」
ブ「心配だからいっておるのだ!!」
「私のどこにそんな心配する要素があるってのよ!!」
ブ「たくさんあるわい!」
ラ「まぁ、俺らがついてるから大丈夫っしょー。」
ブ「お前も心配だっ!!」
ラ「え、俺もー!?」
ブ「まったく・・・唯一頼れるのは神田だけではないか。・・・・先が思いやられる。」
神「まったくだ。」
「なにをーー!!」
コントのように繰り広げられる茶番の声にレイラたちを送ろうと門で待ち構えていた村人たちは温かい笑みを浮かべていた。
朝早い時間にもかかわらず村人たちのほとんどが門の前に集合している。
彼らははじめ、レイラが追い出されるように旅に出されたときあまりにも唐突過ぎて何の準備もできず見送ることさえもできなかったのだ。
彼らがレイラが旅に出たと知らされたのは彼女が旅に出た次の日だった。
そのため今回はしっかりと送り出そうと心に決めていたらしい。
そんな村人の温かい厚意を知るブックマンは彼らの温かさに心が染みた。
彼らのこの厚意はサプライズとなっていた。
門の前に来たとき、レイラたちはどんな反応をするのだろうかと村人たちは彼らを待ちわびていた。
そこへ、レイラたちがやってきた。
村人A「お、来たぞ!」
村人B「あらほんと、さあさ、みんな手に花びら持った?」
村人C「おう、声かけ頼むで!」
村人D「まかせろ!」
村人E「おうおう、気合十分だねぇ。」
そして彼らは、気合を入れて手に生花から丁寧に摘み取った花を握った。
村人「みんないいか?・・・・・せーーーのっ!!!」
村人「「「「「「「気をつけて!!いってらっしゃい!!!」」」」」」」
青い、澄んだ空に暁の鶏声が吸い込まれたとき、
レイラたちを送る花びらが空に舞った。