01 ―主人公視点―

※AクラスとSクラスの皆出てきますが基本「夢主×真斗」なので
「いやいやいや無理無理!」という方は申し訳ありません…
それと、まだ本編ではまだ全然お話が進んでいないのですが
進んでいる設定&もうくっついてる設定です。そしてパートナーです。
少しネタバレのようになっているので嫌な方はブラウザバック!



最近、すごく体がだるい。
なんていうか何をする気にもならないっていうか。
日本という国は授業をサボると先生がすごく怒るため簡単にはサボれない。
林檎ちゃんならきっと怒った姿も可愛いのだろうけど
サボると今度は真斗になんか言われる。
真斗に嫌われるのは嫌だしちくちくした言葉を言われるのも苦手だ。

そう思ってだるい体を起こして朝食の準備をしようとしたけど
どうも食べる気にならない。
喉が痛いし咳も出る。なんでそうなったかはわからない。
歌を歌うときに変な喉の使い方でもしたのだろうか?
昨日なんて食べ物を飲み込むだけというたったそれだけの動作なのに喉がずきんずきんと痛んだ。
魚の骨でも刺さったのだろうか…それにしてもまだ抜けてないんなんて。

(今日はなんだかあんまり良い日になる気がしない…空も暗いし…)

カーテンを開け窓を通して空を見るとそこにあったのはは淀んだように渦巻く灰色の雲。
こういう天気は嫌いだ。なんとなくあの空を見ていると気が沈む。
ただえさえ気持ちが暗いというのにこんな天気じゃ更に気分も落ち込む。

「……朝ごはん、いいか。」

食べる気もしないし食べても喉の痛みに耐えられそうにない。
早めに行って皆と話せば少しは気分も明るくなると思い、
俺は自室のドアを開け廊下へ出た。

学校に着くと、時間が時間だったので、早すぎたのか誰もいる様子がなかった。
毎日遅刻気味に登校する俺はこの情景がやけに新鮮に見えた。

(へー…この教室ってこんな風になってるのか。)

いつもなら生徒で賑わい、他愛もない会話を交わしているこの教室に
自分1人しかいないこの光景はいつもの教室ではありえないものだった。

(……、なんか…なにもすることないな。)

誰一人いないということは喋る相手もいないということ。
作曲でもするかと考えたがあまり上手く頭が回らないしこの沈んだ気持ちで曲など作ったらそれこそ今日の天気のような歌が出来てしまいそうでやめた。
だって、そんな曲、真斗には合わない。
真斗は言いたいことをそのまま口に出さないせいか解釈に色々誤解が生じることがある。
でもそれは彼の言いたいことの10分の1も言っていないのだと俺は知っている。
彼の本音を聞いたとき、やっぱり俺は彼のことを何一つ理解していなかぅたのだと知りもっと深く、彼を知りたいと思った。

真斗は優しくて、輝いていて、真っ直ぐで、真面目で、それでもって暖かい。
それに彼が持っている情熱はこれでもかというくらい深くて、熱くて。
その思いに周りが圧倒するほど彼の真摯な面が俺には酷く羨ましく思えた。

だからこそ今の俺では彼に似合う曲は作れないと思い、することもないし取りあえず…

なにもしないことにした。

いや、本当に頭が回らない。何かするにもだるい。
取りあえず俺は何も書いていない黒板に目を向けただジッとそれを見つめているのであった。

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