生と死の狭間にある愛


静かな村の更に奥、人の気配は愚か動物さえも居ないのではないかという場所に寂しげに建つ小屋が1つ

見た目こそ廃墟と言っても過言ではない建物はまるで君を閉じ込める鳥籠のよう。君が何を望もうと俺はずっと君をこの籠に閉じ込めて

そう、君は俺のモノ、君は俺の全て、君が生きている事が俺が生きる意味……決して死なせなんて、しない

「エス、ラール」

「なんだ?」

「私は……もうエスラールに迷惑はかけたくない……早く私を」

「続きは言うなエメザレ」

それでも君は死を望む。面倒をかけたくない、迷惑だから、俺を愛しているから、そう言って勝手に離れていくのか?そんな事堪えられるはずがない

「エメザレ、俺はエメザレに少しでも長く生きていて欲しい。エメザレがどんな形であろうともだ」

「エスラール、私はエスラールが好きです」

「……」

「だから、これ以上……」

「なら一緒に死ぬか?」

「……そんな事言わないで下さい、エスラールには死んで欲しくない……」

俺の方に手を伸ばそうとロープでベッドに縛り付けられた体を微かに動かす君が俺を求めてくれた様な気がして、そんな小さな事が嬉しくて、少し微笑みながら君の髪を撫でると「エスラールには死んで欲しくない」と繰り返す。君が俺にそれを望むのに俺が君にそれを望むのは駄目なのか、エメザレ

「わかった、なら死ぬときは一緒だ」



生と死の狭間にある愛情


愛の為に死ぬ事を望む者と
愛の為に生きる事を望む者

たとえ自分のエゴだろうと
俺は君を生に縛り付ける

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