社内恋愛(東堂×修吾←溝山)
2013/11/18 03:14

相変わらずタイトルセンスマイナスなのは御勘弁願います。

東堂…33歳。セイジョウ建設人事部長

川田…32歳。課長職、現場監督

溝山…25歳。営業部平

前提として、川田は面倒見がよく、不良上がり系の職場の後輩達の世話をよくしている。
飲みに連れていったり、職場やプライベートの相談にのったりなど。色々な社員から慕われている人物。


「修吾……本当にいいの?ここから先に行ったら、もう戻れないよ?」

天井のライトを背負い、東堂が真剣な眼差しで川田に問いかける。
いい歳をした大人の男同士で、これから性行為をしようとしている───

勿論、恐怖がないわけではない。
しかしそれは東堂に対してではない、世間にまともに顔を向けられなくなる、その背徳的な行為に対してだ。
振り切るように、東堂の傷がある頬に手を延ばす。

だからといって止めたいわけではない。

寧ろ。

「瞭毅、俺、気持ち悪く思われるかもしれないけど、嬉しいよ。瞭毅は俺でいいのか?俺なんかと、こんな───」

途中で、東堂に唇を塞がれた。
触れるだけの口づけをした瞭毅が、優しく微笑む。

「ありがとう、修吾。……好きだよ、本当に」

「……!瞭毅、俺も……!」

合わせた手を、きつく握り合う。
その晩川田は、生まれて初めて、愛する人を体内に受け入れるという経験をした。
不随する苦痛や恥ずかしささえ、総てが甘美な疼きに変わる。

合わさる東堂の熱い肌。
それは不安も恐怖も総て拭い去り、至福の中で川田を溺れさせた。






「瞭毅、今日は夜どうする?」

「俺今日は定時で上がれそうだから……何か作っておこうか」

「え、マジで?じゃあ俺も早く上がれるようにするよ、8時までには帰る!」

「無理はしないでね。うちでいいかな?待ってるよ」

「おう」

朝の朝礼が始まる前。
出社した川田と東堂は、笑顔で約束をとり交わす。
同期の二人は以前から仲がよかった為、これくらいの会話では誰も怪しまない。
本格的に交際を始め、何度か体も重ねたが、職場では必要以上にスキンシップをとらないよう心掛けていた。怪しまれたりしても、何もプラスにならないことは重々承知している。

「えー何すかそれえ、いいなあ、俺も参加したいっす」

「え?」

「げ、大谷邪魔」

「邪魔ってなんすか東堂さああん!……ねっ川田さんっ頼みますよっ俺も今独り身で寂しいんすよおお」

割って入ってきたのは、新人の大谷だ。まだまだ若い、金髪の青年。
取り分け可愛いがっている後輩だけに、邪険にも出来ず。
結局は川田は嫌がる東堂を宥め、大谷も参加する流れにしてしまう。

二人きりの時間は中々持てないが、それでも想いが通じ合っている同士だ。

「ちぇ、大谷N県でとる予定の現場に飛ばしてやろっかな」

「もー瞭毅、あんまイジメんなって」

「はいはい」

二人の間の信頼関係からもくる穏やかな空気は、揺らぐことはなかった。

 



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