あとがきと裏設定

※闇マリク視点のお話は次ページにあります(このページの下部にリンク)




『エジプト旅行先で闇マリクと出会いロマンスするお話』

お読みいただきどうもありがとうございました!

主人格サマとの確執も千年アイテムも、殺伐とした破壊衝動云々も墓守の宿命も何も出てこない、とても平和で甘いお話になったかなと思います。

もし、原作の闇マリクにある、オカルトめいてドロドロした破壊衝動や負の感情を極限まで薄めたら……というIFでもあります。

いや、でも。
そもそも闇マリクの破壊衝動を薄めてしまったら、闇マリクではなくなる……というか、闇マリクとして存在しえないのでは? という疑問が浮かびますが…………
そうですね、そこはほのぼの夢次元ということで都合よく考えていただけると嬉しいです。

このお話は、あくまでも複雑で殺伐とした事情なしに、ただ
『観光客の夢主が、エジプト旅行先で闇マリクに出会い恋に落ちてしまったら』
という前提のライトで甘いお話です。

そうです。
それを踏まえた上で………………もし。

もし、不穏でもいいから、
『都合のいいパラレル次元』についての裏設定が見たいという方がいらっしゃいましたら。

どうぞ、下記にお付き合いくださいませ。

※不穏です。救いがあるような、無いような……
このお話は都合のいいほのぼの次元で良い、と思われる方はこれ以上お読みにならないでくださいませ。

↓ ↓ ↓











Q.何故、このお話は都合のいいほのぼの次元なのか

A.実は死後の世界のような次元であり、闇マも夢主も死んでるから



【何故このお話は、闇マリクにとって都合のいい世界なのか】

Q.何故、主人格マリクや千年アイテムと言った、闇マリクを語る上で外せない(闇マリクという存在の根幹を成すと言ってもいい重要事項)には言及されなかったのか

Q.その上で何故、イシズやリシドは闇マを家族として認めているのか

Q.原作で言うとどの辺の時期のお話なのか
(BC編後? では何故闇マリクはまだ存在してる? そして何故墓守たちはまだ地下で暮らしている??)

……という疑問に対する不穏な辻褄合わせです。

A.原作のBC編で、闇マリクが消滅させられた後の『この世ならざる世界』でのお話だから


【解説】
BC編の際、原作通り闇マは消滅させられて、死後の世界のような闇の世界のような……
とにかく、光の届かないこの世ならざる世界へと送られている
(アテムが居るキラキラした冥界よりも、もっと暗く闇の深いところ)

そして夢主は、現実のエジプト旅行で悪人たちに絡まれた際(お話の序盤)、実際は彼らに酷いことをされて惨殺されている
(ニュースにもなっているくらい)

そんな夢主の苦痛にまみれた魂は、生前の悲劇的な最期の記憶に囚われ、清らかに成仏することが出来ず
死後も苦しんだまま、闇が深い光の届かない世界へと落ちてくる

そして、偶然たまたま
そんな夢主の魂と、闇マの魂が出会い
二つの魂が交差してしまう

夢主は、『旅行先で惨殺される』という
辛い“最期”にずっと囚われていて

闇マは、『マリク』としての自分を全否定され闇に葬られるという“最期”を否定するために
自分が正真正銘の『マリク』となり、イシズとリシドにも一人の人間として認められているという、都合のいい幻想のような世界をたゆたっている

だが、そんな二人の魂が触れ合い
記憶が混ざり合うことによって

夢主の記憶には、図らずも闇マが介入することになり
『悪人に襲われて惨殺される』という夢主の悲劇が、『悪人に襲われそうなところを闇マに助けられ、彼と繋がりを持ち、恋仲になった』
という新たな記憶で『上書き』され

これにより、死後も苦痛に喘いでいた夢主の魂は、闇マとの幸せな“記憶”が上書きされたことで『救済』され
苦しみから解放された夢主は、闇マの魂と共に幸せに過ごすこととなる

そして、闇マの方も、彼の記憶から構成した都合のいい夢世界に夢主が関わって来ることによって、
現実では皆に存在そのものを否定され消滅させられた闇マが、この世界で初めて『一人の人間』として
自分だけを見てくれる夢主と共に過ごすことになる……

という設定。


ちなみに、闇マは自分自身が既に現実では消滅(死亡)していること・この世界があの世のような世界であること・偶然出会った夢主が現実では既に死んでいること
……を、自覚しているかどうかはどっちでもいいなと思います
(知らずに夢主との生活を現実だと思ったままでもいいし、知ってて既に死んでいる夢主の魂と『分かってて』イチャイチャしているのもいい)

現実では酷い殺され方をしたのに、あの世で闇マの介入により記憶を上書きされ魂を『救済』され
それが死後の世界だと気付かずに、ニコニコと幸せに過ごす夢主を見つめながら
どこか満足そうな顔をして
『哀れで可愛いオレの女』
と思っている闇マ……
なんていう設定もいいなと思いました!

闇マの“都合のいい世界”は、従来のイメージ通り破壊衝動をぶちまけられる世界とか、皆を殺して自分しか居ない世界というような殺伐とした世界でもいいけれど
今回の設定は、『もし彼が人間として生きるなら』という前提のもとの“都合のいい世界”なので
彼自身は、これが自分にとっての『都合のいい世界』だと自覚してなくてもいいかも

(無意識の願望的な……
本当は誰からも存在を否定されず、『一人の人間として』認められたかったかもしれないんだよ!っていう)


痛い、苦しい、嫌、やめて、助けて……!!
っていう死の直前の苦しい記憶に囚われたまま
まるで怨霊のようになって、光の届かない闇の世界へと落ちてくる夢主の魂
……を見つけた闇マが

なんか女の魂が来たな……
って、自ら興味を持って夢主の魂に触れ
その『記憶』に介入しちゃうみたいなパターンでもいいかもしれない

“生前どれだけ願っても願っても誰にも助けてもらえず、無念の死を遂げた女の子が
死後の世界で、同じく『誰からも助けてもらえなかった』闇マに救済される”

っていう展開もなんかいいなと思ったのです


っていう『辻褄合わせ』の裏話


上記はあくまでも、
『主人格マリクも千年アイテムも出て来なくて、イシズやリシドに家族として認められているという都合のいい闇マパラレルIF次元夢』
の理由として考えた裏設定なので

不穏なことを考えたくない方は無視してくださいね



もし、夢主は怨霊って考えた場合。
悪人たちに惨殺されてしまった夢主が、怨霊みたくなってしまい
「助けて……誰かたすけて……たすけて……」
って、死後魂になってもずーっと呟き続けて

偶然闇の世界に居た闇マに
『なんかうるせぇな』って発見されるみたいなパターンもいいなって思いました


闇マが無視しても拒絶しても、ずっと
助けて……助けて……
って彼の周りをついて離れない夢主の魂(怨霊)に業を煮やして
仕方ねえな、どんな死に方したんだこいつ……って興味本位で夢主の魂に触れたら
生前の惨たらしい死の顛末を目にすることになって

くだらねえ……と思いつつも
女だったのか……って、少しだけ興味を惹かれ
何となく気まぐれで夢主を『助けて』しまう闇マ
みたいな

“惨殺”の記憶が、“闇マに助けられロマンス”
という記憶に『置き換えられて』、
ありがとう……ありがとう……
って光の世界へ成仏して行こうとする夢主の魂
……を慌てて引き止め

助けてもらった礼にしばらく付き合え
って言って、夢主の魂を我が物顔でがっちりと繋ぎ止め
自分のオモチャにしてしまう展開
(でも彼に『救済』された夢主はそれでも幸せなので永遠に成仏せず彼の闇の中でイチャイチャする)



死後の救済はエモだと思います

『生前酷い目にあって、どれだけ助けを願っても誰からも助けてもらえず無念にも惨殺されてしまった』女の子が

『生前に存在自体を否定され、誰からも助けてもらえず消されてしまった』闇マに
“救済”される

っていう構図を考えると

なんかもう
なんかわからないけど
ちょっと涙腺に来るんですよね……


夢主は記憶を『上書き』されたことに永遠に気付かない(自分が現実で惨殺されたことを二度と思い出さず彼とイチャイチャし続ける)
のでもいいし

どこかで本来の記憶を取り戻して、
「私……もう死んで……、殺され、ァ、あああ……っ!!!!」
って取り乱しちゃうパターンでもいいし

取り乱した後に、でも今は彼が居るから大丈夫だ……
彼が私の魂を救ってくれたんだから……
って何となく納得しちゃうパターンでもいいですね

夢が広がる死後次元……!


というわけで、『辻褄合わせ』で『後付け』な、不穏な裏設定でした。
重ね重ね、お読みくださりどうもありがとうございました!

感想など頂けると嬉しいです!



【追記】

上記の『不穏な裏設定』を踏まえ、闇マリク視点での小話を次のページに追加しました。
・不穏、若干残酷な描写あり
・闇のような世界で、怨霊になった夢主にまとわりつかれる闇マリク


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