告白

「…aaa、好きだよい」
胸はないし、色気もない、戦闘力なんて全然ない、しかも年齢も結構離れてるけど、やっぱり年齢って近い方がいんじゃないかな。
船の中でも、探せばもっとマルコさんに合ったいい女性がいただろうに、なんで私なんだと思ったけれど、告白された時は本当に嬉しかった。
「……はい、私も、です」

「キス、したいよい」
キスやセックスは必ず同意の上。
それがマルコにとっての暗黙のルールのようだ。
「ど…どうぞ」
きゅっと目を閉じると、少し間を置いて唇が重なった。
「もっと……いいかい?」
ちゅっ、と音を立てて唇が離れると、小さな声でマルコが言った。
「はい…」
aaaがマルコの首に腕を回すと、マルコはすぐにディープキスをした。
「んんっ…!」
いやらしい音が部屋いっぱいに響いて――。

「超が付くほど真面目なマルコと付き合って……楽しいか?」
サッチが晩御飯の時に言った。
「あいつ冗談なんか言わねぇだろ?話だって親父の話しかしねぇし」
本人が側にいないからと悪口を言いまくるサッチの後ろに黒いオーラが。
「……マルコって笑うのか?」
「笑うよい」
フェニックス拳骨がサッチの後ろ頭にモロヒット。
「こういう時にな」
サッチがテーブルに突っ伏して悶えているのを、マルコがにやりと悪い笑みを浮かべて見ている。
「マルコさん…、私はマルコさんといるだけで幸せですから」
aaaはマルコを見上げながら、サッチの質問に答えた。
「…そういうことは、こんなとこでいうもんじゃねぇよい」
ざわざわと騒がしい食堂で、誰も気付いてないだろうにそんなことを言うマルコは、赤い顔を片手で押さえてどこかに行ってしまった。

翌日。
「あれ!?マルコがaaaとは違う女としゃべってるだとぉ!?」
サッチの叫び声に、aaaは慌ててサッチの指差す方向を見た。
甲板で美人ナースと話をしているマルコ。
マルコがナースと話をすることなんか、aaaと付き合って以降、マルコの配慮で、なかったはずなのだけれど。
「わー…、女性と話すマルコさん久しぶりに見ましたー…」
「aaa、棒読み棒読み!」
美人な女性と話していても、マルコの真面目な表情は変わらない。
「…ニヤけてないから、合格です」
「何その判断基準」
サッチはへらへらと笑いながら、aaaの頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
「ま、大丈夫だろ。あいつはaaa以外にゃ手ぇ出さねェよ」
「ハァ…、そうですか」
もう一度マルコを見ると、マルコはもうそこにはおらず、そのかわり、美人ナースが大きな胸を揺らして親父のもとに走っていくのが見えた。

その夜。
こんこん、と自分の部屋のドアが叩かれた。
「aaa、入るよい」
「…ドーゾ」
何か用があるから来たんだろうマルコはaaaの返事を聞いて部屋に入った。
もしかして美人ナースの方がいいとか言われるのかと覚悟を決めて、床に正座していると、マルコが隣に座って胡座をかいた。
「…aaa、」
マルコが口を開くと、aaaはごくりと唾を飲んだ。
「悪ィ!」
急に頭を下げたマルコに、aaaは愕然としながら、状況を察した。
(浮気をしたって言われるんだ!)
頭が真っ白になりながら、aaaは泣きそうな目でマルコを見た。
「浮気を…しちまったよい!」
マルコは頭を下げたまま、叫ぶように謝った。
(ほらー!)
aaaはマルコの前では泣くまいと唇を噛み締めた。
「見るつもりはなかったんだが、その……他の女の胸を、見ちまった…よい。別にaaaに不満があるわけじゃ…ねぇんだ……、悪い」
マルコはaaaの手を掴んで握り、申し訳なさそうな顔をした。
「……は?胸?」
「…そうだよい」
二人は顔を見合わせると、一拍置いてaaaが笑った。
「胸見ただけなんですか!それで、浮気!」
くすくすと笑うと、マルコは怪訝そうな顔をした。
「り、立派な浮気だろうよいっ!」
「……そうですね」
笑いすぎて出た涙を拭い、aaaはマルコの手を握り返した。
「本当に真面目ですね…。そういうところが、好きです」
「!」
「今は、言ってもいいでしょう…?」
aaaが顔を近付ける。
「……そうだなァ。……するよい」
了承も得ずに、マルコはaaaの肩を掴んでキスをした。
「おれも…好きだよい。aaaのこと以外、考えらんねぇくらい、よい」
マルコがaaaの耳元で囁くと、aaaの顔が真っ赤になった。
視界に、マルコの赤くなった耳が見えた気がした。


〇マルコの女性と付き合うときの三ヶ条
1.キスの時は了承を得る
2.セックスの時も了承を得る
3.浮気はしない


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