かわった人

※学パロ

大学から家へ帰っている途中、話し掛けられた。
「やあ、aaa◆」
優しく微笑み、声を張り上げた男は、どうやって染めたのか気になる鮮やかな薄い青色の髪をしていた。
「…どちらさまですか?」
大学生のaaaは、この辺で一番頭のいいと有名の高校の制服を着た青髪の男に聞いた。
「ボクだよ、ヒソカだよ」
「……うそ」
aaaの知っているヒソカは小学生だし、身長は私よりも小さいし、第一、髪は青じゃない。

「私の可愛い天使の名前なんだからっ!勝手にヒソカって名乗らないで!」
「ボクのことそんな風に思ってたの?、嬉しいなぁ。でも天使はちょっと恥ずかしいよ」
ふ、と笑いながら、ヒソカはaaaの手を掴もうとしたが、しかしaaaは、バチィ、と鈍い音を立てて手を叩いた。
お互いに、驚いた表情をしていた。
「あ…ごめんなさ…」
最初に口を開いたのはaaaだった。
小さく呟いて謝るが、ヒソカにとってそんなことどうだってよかった。
「aaa、…ボクのこと、本当にわからないのかい…?」
ヒソカの瞳が揺れ、悲しそうな表情をした。
それはとても、昔の彼にそっくりで、aaaは5年ぶりに彼の名前を呼んだ。
「……ただいま◆」
今度は、ヒソカの抱擁をちゃんと受け入れた。

ヒソカが小学5年生でaaaが中学2年生の時まで近所に住んでいたのだが、ヒソカが6年生に上がる時に遠くに引っ越してしまったのである。
それから5年、なんの音沙汰もなく、aaaは大学生になっていた。
「なんで急に戻ってきたの?」
「親が海外に行くことになったから、ボクはここにいたかったし、ちょうどいい機会だと思って戻ってきたんだ◆」
ヒソカがaaaにお茶を出した。
いろいろと言いくるめられて、今、ヒソカの家にいる。
お茶を飲みながら、aaaはヒソカを見つめた。
自分が知るヒソカとは全く一致しない。
「5年で何があったの…?」
小5の時は天使のように可愛く、どこに行くにもついて来ていた、懐かしい日々。
「色々◆」
「ふーん……」
「あ、あとね、ボク、キミに言いたいことがあって帰ってきたんだ」
ヒソカは少し間を置いてから、aaaを見た。
「aaaが好きだ◆ いつからか知らないけど、ボクはキミを好きになってたんだ。小学生の時から。…ボクと付き合ってくれないかい?」
どこか圧力のあるヒソカの言葉に、aaaは口を閉ざして考えた。
「答えは今すぐじゃなくてもいいよ」
なるべく早くがいいけど、とヒソカが言った。
「いい、けど……でも、私、ヒソカのこと、あんまり覚えてないし…ヒソカに失礼だよ、ね」
「そっか、覚えてないのか…」
ヒソカは少し黙って、遠くを見てから、またaaaに視線を合わせた。
「じゃあ、新しいボクを植え付けてあげる◆」
にっこりと笑ったヒソカは、似合わない投げキッスをした。
「ヒソカってほんと…変わったよね」
天使とは程遠い感じに筋肉ついてるし、と思いながら、aaaは苦笑いをした。

そして、二人の異色ラブコメディが、今、始まる!
(※始まりません)


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