恋は砂糖でできている

※学パロ


「好きです。付き合ってください」
告白されたのは数週間前で、告白したのはとっても格好良い人でした。
ねぇサンジくん、相手、合ってる?

「さ、さむ…」
はぁ、と暖かい息を手に吐きかけながら、aaaは校舎を出た。
校門に人だかりがある。
「…?」
校門を過ぎる時に人だかりを見つめると、そこにはモデルのような風貌の金髪の男がいた。
しかし格好はブレザーで、学生のようだ。
「aaaちゃん」
「サンジくん、なんで…」
きゃあきゃあ言う女子に手を振って、サンジはaaaに歩み寄った。
「一緒に帰ろうと思って」
にこ、と笑ったサンジ。
周りにいた女子が一斉に黄色い歓声を上げた。
「サンジくん、そんな子より私と帰ろー」
「サンジー、私と一緒に遊ぼってぇ」
派手なメイクや髪をした可愛い顔の女子が、サンジの腕を掴んだ。
「ごめんね。aaaちゃんと帰るから」
やんわりと断り、そっと手を外すと、aaaの手を取って歩き出した。
恋人繋ぎの手。
サンジの手は寒い冬にも関わらず、暖かい。
「aaaちゃん、公園、寄ろっか」
サンジが指差した先にあった大きな公園。
「う、うん」
aaaが何度も力強く頷くと、サンジは微笑んで、公園に足を進めた。

「寒いよね、やっぱり家がよかったかな」
そう言いながらサンジは自販機に小銭を入れた。
「ううん、そんなことないよ」
「ありがと」
サンジはぴ、と紅茶のボタンを押した。
「aaaちゃんは何がいい?」
「え、い、いいよ」
「……じゃあ、一緒に飲もうか」
暖かい紅茶のカンをaaaの頬にぴったりとくっつけたサンジ。
「…うん」
サンジの温かさに、aaaは微笑んだ。

ぷし、とサンジがカンのフタを開けると、aaaに渡した。
両手で持って、熱い紅茶を喉に流す。
「あったかい?」
「……熱い」
すぐに口を離すと、ふうふうと息を吹きかけたaaa。
「はは、そっか」
サンジもaaaと一緒に、紅茶に息を吹きかけた。
湯気が公園内を舞う。
「…もう大丈夫かな」
息を吹きかけるのをやめると、サンジは貸してと紅茶を受け取った。
「また熱くて舌が火傷したらイヤだからね」
サンジの優しさに、鼓動が速くなった。
「ん、」
ごく、と飲んだサンジ。
またごく、と口に含むと、サンジはaaaにキスをした。
「ん!」
口の中に、何かが流れ込んできた。
鼻から紅茶の香が吹き抜けた。
「熱いけどaaaちゃん寒いかなって思って…」
はは、と笑いながらサンジがaaaを見ると、aaaは俯いていた。
「…ごめん、イヤだった?」
サンジが問うと、aaaは首を横に振った。
「…ごめん」
aaaの頭を撫でながら謝るサンジに、aaaは申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
顔が上げられないのは、真っ赤だからだ。
「サンジくん…、わ、私、イヤじゃ、ないよ」
サンジの裾を引っ張った。
「……そっか。嬉しい」
aaaが少し顔を上げると、そこには顔を赤くしたサンジが嬉しそうに微笑んでいた。
aaaはまた、鼓動が速くなった。

紅茶を飲み終わると、二人は家に帰るため歩き出した。
「さ…サンジくん」
「ん?」
冷たい手を握りしめて、aaaは口を開いた。
「私、サンジくんのこと好きになっていいのかな?」
「……好きになってほしいけど、なんで?」
「だって、私、私より可愛い子なんかいっぱいいるし、サンジくんのことあんまり知らないし…」
aaaの家がある団地の道路で歩みを止め、aaaはサンジに言った。
「…おれがaaaちゃんを好きになったのは、一ヶ月くらい前だったかな、コンビニで見かけて、一目惚れして。それから、マダムに道教えてるの見て、優しいなぁってまた好きになったよ」
サンジがさりげなく、aaaの手を両手で包み込んだ。
「…そのあとに違う学校って知ってさー。告白しようか悩んだんだよ。でもaaaちゃんのこと好きだし付き合いてぇから、勇気出して…さ」
「……私、サンジくんのこと全然知らないのに、好きになっちゃうよ」
サンジくん格好良いし優しいし、と呟くとサンジはaaaの手にキスをした。
「うん、好きになって?それで、もっといっぱい知ってよ、おれのこと」
目を細めたサンジはやっぱり格好良い。
「…もう、好き」
「おれもaaaちゃんのこと大好き」
また二人は歩き出し、あともう少しある帰り道を楽しんだ。


タイトルは「確かに恋だった」より


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