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▽ 一年の終わり


ナルシッサ・ブラックがまさかのお笑い好きという衝撃の事実が判明してから数週間経った今、彼らはホグワーツ特急に乗り込んでいた。停車している真っ赤な蒸気機関車を前にしてジェームズ・ポッターが大泣きしている。

「リリィイイイイイ!!そんな、2ヶ月も離ればなれなんてェエエエ」
「うるさいポッター」
「ごめんリリー☆」
「ジェームズお前いつの間にバリボー!!の山下になったんだよ」

グリフィンドール勢がぎゃあぎゃあ騒ぐ横をエメラルドグリーンの集団が颯爽と通りすぎた。シリウスがちらりとそちらに視線をやると彼の姉とばっちり視線があう。一応自身のイケメンっぷりを自覚しているシリウスはウィンクを決めたがアンタレスが即座に「目が腐る」なんて言いながら目薬をさしたのでしくしくと泣き出した。ピーターがうたプリの四ノ宮の名前がプリントされたハンカチをそっと差し出したがシリウスは鬼の形相でそれを捨てようと暴れだす。

「ピィイイイタァアアアア!トキノちゃん以外の雌猫を贔屓するたぁイイ度胸してんじゃねぇかアーン!?」
「このふわふわな可愛さがわかんないなんてシリウスは人生損してるよ!あと泣きぼくろないんだからインサイトポーズやめて!!」
「うるせえ宿題手伝わねーぞ!」
「シリウスの説明わからないからリリーに聞くもん!!」

お互いヒートアップしてこめかみに浮かぶ血管がぶちギレそうになっていたが、ルーピンにコンパートメントに叩き込まれて大人しくなった。その話題が耳に入った脳筋ペアもといマルシベールとドロホフは顔色をさっと青ざめさせてそれぞれの親友を見た。

「アンタレス…エイブリー…」
「ラバスタン…」
「大丈夫よマルシベール、わからないところがあったら言ってちょうだい。すぐに駆けつけるから」
「アンタレス…!」
「スキップで」
「普通に来てくれ」
「それじゃあ僕は疾風ダッシュで駆けつけるから安心していいよ」
「エイブリー、全然安心できねぇんだけど」

ぎゃいぎゃい揉め始めたアンタレスマルシベールエイブリーを横目にラバスタンはにっこり笑った。ドロホフはちょっぴり嫌な予感がしたが気づかなかった振りをして彼を振り返る。大丈夫だ、自分の親友は流石にあんなことをしないはずだ。

「ラバス、手伝ってくれるよな?」
「当たり前っしょ。ちゃんと駆けつけるよ、そよ風ステップで」

だめだった。

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