▽ クリパなう
ブラック家一行は煙突飛行でマルフォイ邸へ向かう。
シリウスが「フォイフ…マルフォイ邸!!」と叫んでエメラルドグリーンの炎に包まれた時にはアンタレスとレギュラスはシリウスの行方が心配になって顔を見合わせた。こんなところであの替え歌(原案)が仇になるとは。
次はアンタレスの番で、問題なく発音することができたのでアンタレスは問題なく飛んでいった。…が、着地の際に何かにぶつかってそれと共にマルフォイ邸の暖炉から吐き出される羽目になった。
煤だらけになってしまって咳き込みながらアンタレスが横を見るとがっつり名前を間違えかけた弟がぐったりしている。慌てて起き上がろうと腕に力を入れれば後から来たであろうレギュラスが降ってきて双子は蛙が潰れたようなひどく苦しそうな声をあげた。
「ね、姉さん!!兄さん!!」
「レギュラス…どいてちょうだい…」
「革靴って痛いな…特に俺、踵の部分がクリーンヒットしたんだけど」
案内役らしい正装の人が慌てて三人を助け起こす。
彼の杖の一振りでもとの綺麗な姿(※ただしドレスローブはケバい)に戻った三人は安堵のため息を吐いた。
ちなみにヴァルブルガは姿現しで来たらしい。卑怯だ。
「アンタレス!!」
「あらマルシベールじゃない」
「よう…って弟までいるじゃねぇか」
「ねえマルシベールさん、ロリちっぱいと美女巨乳どっち派ですか?返答次第で認めてやってもいい」
「おいアンタレス、お前の弟おかしいぞ」
会場に入ると、わりかし入り口に近いところにいたマルシベールがアンタレスに気づいて片手をあげて寄ってきたが、レギュラスに謎の質問をされていた。
「ショタも捨てがたいですけどミクとリンちゃんどっちですか」
「ボカロあんまり知らねぇんだよ」
「バーティはルカがいいんですって」
「ねぇ聞いてる?何この子俺のことスルーするんだけど」
「スルーするwww」
「シリウスくだらないわよ」
「すいません」
マルシベールはレギュラスとクラウチJr.までオタクだということを察して微妙な顔をしていた。
「ボカロで顔見て言うなら…そうだな、俺はGUMIだな」
「「予想外の刺客…!!」」
そしてマルシベールの返答にミク派:シリウスとリン派:レギュラスが膝から崩れ落ちた。
ちなみにここまで全て小声での会話である。
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