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▽ クリぼっち?いいえこれからパーティーです。


ブラック家には嫌そうなよく似た顔が三つ並んでいた。

これから、嫌なパーティーもとい純血主義が集まるクリスマスパーティーに行かなければならないのだ。
マグル同盟の仲間たちに会えるのはまだいいが、嫌な大人たちを相手にしなければならない。それは随分と神経を使うことだった。
アンタレスはマグルをバカにされたら間違いなくキレるであろうシリウスをどう止めるかを思案している。

ヴァルブルガが部屋に入ってきた瞬間にアンタレスとレギュラスはにっこりとよい子ちゃんの笑顔を貼りつけたがシリウスはそこまで器用ではない。
母親を見た途端にしかめっ面になるのは最早反射の域に達しているのでどうしようもなかった。アンタレスがシリウスの脇腹を肘でつつくも意味はない。

「ちょっとシリウス、その顔どうにかならないの」
「無理だ、この前トキノちゃんのラミカあのババァに捨てられかけたんだ」
「目につく場所に置いておくあなたが悪いのよ、馬鹿ね」

レギュラスになにか言い聞かせているヴァルブルガを横目に双子はこそこそと言葉を交わす。末の弟から助けを求めるような視線がバシバシ向けられているが二人は気づかないふりをした。

「(そんな…!!兄さん、姉さん…っ)」
「(レギュラス、耐えてちょうだい…ここを乗り切るにはもうこれしか…!!)」
「(何この茶番)」
「「(いつからこれが茶番だと錯覚していた…?)」」
「(なぁその以心伝心本来なら双子の俺とアンタレスがやるべきものだよな?)」

レギュラスはヴァルブルガからの言葉を途中から聞き流してアンタレスとアイコンタクトでふざけ始める始末。かつての聞き分けの良い純血主義だったレギュラス・ブラックはどこにもいなかった。双子は散々レギュラスに某掲示板用語やネタを刷り込まれたので更にテンションがおかしいことになっている。
シリウスはまだ常識がある方かもしれない。

クリーチャーがドレスローブを三着持ってきたとき、三兄弟はうげっと顔を歪めた。
高価そうな布で作られているそれらは、随分とけばけばしいデザインだったのだ。

クリーチャーもだいぶ気まずそうにしていた。

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