▽ 僕たちの杖って一体
マルシベールの部屋にとんでもない勢いで滑り込んだアンタレスは、マルシベールに飛び付いた。
「私の杖には、氷牙竜の牙が入っているんですって…!!振ったらベリオロスが出てきたのよ!!」
「モンハンか…PSP早く買いてぇな」
アンタレスに飛び付かれたマルシベールは見事に固まり、アントニンがモンハンの話題に飛び付く。
「…俺の杖にも、轟竜の鱗が入っているらしい」
そう呟いたのはソーフィンだが、物静かな彼と轟竜もといティガレックスというのはどうもイメージが合わない。
ソーフィン曰く、杖から出てきたティガレックスはオリバンダーの店のガラスを全て割ってしまったらしい。
「僕の杖には雷狼竜…だからジンオウガだね、その角が入っているようだ」
「俺のは嵐竜の涙な」
「僕のには、白海竜の鱗らしいです」
「白海竜?」
「ラギアクルスの亜種ですよ」
エイブリーの杖にはジンオウガの角、マルシベールの杖にはアマツマガツチの涙、ヤックスリーの杖にはラギアクルス亜種の鱗。
残る2人は、ラバスタンとアントニンなのだが。
「あぁー…僕のはね、棘竜エスピナスの棘なんだって。あやうく刺されるところだった」
『え』
「オレのは煌黒龍らしいぜ。それもモンハンか?あんまり二つ名の方は詳しくねぇんだ」
『…』
アントニンの爆弾発言に、6人は固まった。
一番早くに我に返ったのはマルシベールで、鋭いツッコミを入れる。
「おま、煌黒龍っておま、チート産じゃねぇか!!」
「ポケモンでいうミュウだよアントニン、わかってるの?」
「君の竜が一番強そうだなんて納得できません」
「ヤックスリーひでえ!!」
ヤックスリーの毒舌に肩を落としたアントニンだが、マルシベールとエイブリーの言葉を思い返して表情を強張らせた。
「まさか…アルバトリオン?」
「…そうよ、アントニン。チート産のアルバトリオンよ」
「扱える自信ねぇよ!!」
杖を握りしめて吠えるアントニンに答えるように、杖は紫色の炎を吹き上げた。
おまけ
「将来、モンハン竜探しに行こうぜ」
「杖の材料なんだから実在するはずだ」
「よし」
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