▽ 再びメンバー追加
隠れマグル主義は五人に増えた。
アンタレス、マルシベール、エイブリー、ラバスタン、そしてアントニン。
本日、五人が目指すのはポケモン○ンターだ。
今日は勝ち抜きのトーナメントが開催されることになっている。
参加するのはエイブリーとラバスタンだ。
五人の中でもっともえげつない戦い方をする二人は闘志を燃やしている。
「がんばろーっと…えーと、ぼくの相手は…ソーフィン・ロウル?え?」
配布されていた対戦表を見たラバスタンの顔が引き攣った。
ラバスタンの初戦の相手の名前は、ソーフィン・ロウル。
ひょろりと背が高く、周りから頭一つ分飛び出ているブロンドを発見するのは簡単だった。
「…嘘ー」
「…ラバスタン・レストレンジ?どうして、君が…」
ソーフィンもラバスタンに気付き、お互い気まずそうだ。
無理もない、純血主義を掲げる名家の嫡男がポ○モンセンターにいるのだから。
一方、エイブリーのほうでも一波乱起きていた。
彼は三回戦目で当たった相手の名前で激しく動揺したのだ。
相手も遠くで特徴的なミルクティ色の髪を揺らしながら動揺しているのが見えた。
「え、エイブリー?!ど、同性同名ってありえるでしょうか…まさか本人だったら」
「ヤックスリー」
「うわぁああああエイブリー!!!!」
エイブリーはおろおろする彼…ヤックスリーに声を掛けるとかなり驚いた様子だった。
「き、キミは純血主義では…?」
ガタガタ震える指で黒縁メガネを押し上げたヤックスリーにエイブリーは吹き出す。
「失礼ですね!!」
「さぁ、試合だ」
「聞いてますか?!」
「…何よ、みんな任○堂が好きなんじゃない」
アンタレスの呆れたような声が公園に響く。
トーナメントは見事にラバスタンが制した。
ついでだから、とラバスタンとエイブリーがヤックスリーとソーフィンを待っていた三人の元へ連れて行ったのだ。
また、人数が増えた。
闇の帝王に敵意を燃やす小さな同盟が、彼の未来を大きく揺るがすこととなるのをヴォルデモートはまだ知らない。
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