Beloved Prince
(私の最愛の王子様)

小説 | ナノ
序章


私が彼女と出会ったのは、私が高校2年生の時。彼女は高校3年生だった。


私達が出会ったのは、いわゆる「ブログ」と呼ばれるもので
大人達が反対する世界で知り合った。



可愛い物やヴィジュアル系が好きな、姫系の彼女。
格好良い物が好きな、自傷行為をする私。



異色の2人が出会ったのには、とても意味があったんだと
この小説を書いている今、思う。

「人を変えられるのは人との出会いだけだ」と
何かの本で読んだ事がある。

私達は出会い、知り合い、私は彼女に感化されてヴィジュアル系の世界に惹かれた。
彼女が変わったかは分からない。
でも少なからず、影響を与えたと思う。良い意味でも、悪い意味でも。



ある日、彼女が自身の話を誰かに小説にして欲しいと言った。
私は快く引き受け、今こうして文字を綴っている。

私は決して文章力がある訳ではない。
惹きつける文を書ける訳でもない。

でも、どうしても私は彼女の話を書きたかった。
完全に彼女の話を再現する事は出来ない。
彼女の記憶も曖昧な部分がある。
日付や時間などは、覚えていない。
それでも良いから、伝えたかった。

彼女の人生を
彼女の恋を
彼女の想いを、伝えたかった。

私の拙い文章で彼女の希望を叶えられるのなら、と。



私達はお互い、決して楽でない人生を歩んできた。
周りより悩み、苦しみ、傷付き生きている。

今から綴るのは、そんな人生を歩んでいる、1人の姫のお話。
今から語られるのは、茨の森を進む姫と、姫の世界を変えた王子様の物語。

人生を、命を懸けた本気の恋。
結末は誰にも分からない。




ねぇ、王子様。
もう一度貴方に会えるなら、私は―・・・・・・




Dearest
(私の最愛の人。)

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