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――結論から話そう。
あたしは、山本元柳斎重國の元で世話になることになった。
尸魂界・瀞霊廷の中のもっというと山本元柳斎重國の自室である和室で目が覚めた。
意味がわからないのは、あたしのほうなので聞かないでほしい。
実際、あたしの身に起こった事、学校の帰り道に皆で歩いていたら突然落ちた。そしたら、いつの間にかここにいた、と簡潔にしちゃえばこんなものなんだけど、それを話した所で元柳斎さんが信じてくれるわけなかった。
あたしの姿が、精々5、6歳だったのもその原因の1つだと思う。
意味わかんない。
もう1ヶ月くらい此処にいるんだろうか…
『あの……』
「どうした、椿姫」
行く宛のないあたしを預かってくれたこの人に、出来ることなら恩を返したい。
そして、きっと此処にいるあいつらを探したい。
数週間で考えたことをあたしは元柳斎さんに話す。
『真央霊術院に入りたい、んです。』
恐る恐る切り出した。
正座も着物にももうだいぶ慣れたな…
「入ってどうするんじゃ」
『死神になりたいです』
――なって、探し出したい人たちがいる。
なれば、恩を返す幅を広げられる―
「そうか。椿姫には素質があると思っておったが…」
フム、と笑う元柳斎さん。
厳しい事も多いけど、優しい人だとも思う。本当に。
あたしは、こうして真央霊術院に入ることになる。
普通に6年くらいかかるだろうけど、仕方ないよね。
あんな“夢”を視ちゃったら動くしかないじゃん。
――落ちた先で気づいたことがある
自分のコト
アイツらのコト
大事なモノ――――
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