孤独な華。 | ナノ

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Get square



そんなの もう嫌ってくらいわかってたんだ


この世は 案外 物語じみていた事を。





―――――…


『おいっ!急いでどこ行く気だよ』

『ご亭主の所ですよ、オレたちだけじゃないかもしれません。』



冬夜は、切羽詰まったような声で返事する。
俺にそんな発想はなかったから



『あぁ〜…』



と感嘆を漏らしてしまった。
先を走る冬夜に呆れた顔を向けられてすぐ、冬夜の肩に乗っているモコナが言う。




「そ!そう!!朋茗がね、三蔵の部屋で捕まってたの」



『『はぁ?/え?』』



「だから、朋茗が敵に捕まってたの!」



『なぜそれを今言う?先に言えよ!!そーゆーコトは!!』


『こればっかりは嵐詩に同感です。何も知らせずにアッチ行かせちゃいましたね…』




声を荒げる俺とは反対に落ち着いている冬夜は、肩にいるモコナを軽く撫でて




『次からは気をつけましょーね?』



などと諭している。
モコナも素直に言うことを聞くあたり、上下関係丸見えだよな。




『……にしても、これは本格的に嫌な勘当たり、かな。』

『ハァ?』

『ご亭主だよ。襲われてる可能性高いでしょ?』



苦笑いしている冬夜の横顔を見て、漸く理解した俺はさっきよりも早く走った。
もし、あの親父さんが死んでたら夢見悪ィしな。

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