孤独な華。 | ナノ

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―――――…


急いで行った先は、台所。
バッと2人では入れば、妖怪とご主人がいた。



「なっ!なんだお前ら!」

『それはっ!こっちのセリフだっつーの!!』



首を締め上げられていたご主人は、嵐詩が思いっきり妖怪を蹴飛ばしたことにより床に倒れ込む。



『大丈夫ですか?』



一応、オレが駆け寄れば、せき込みながらもオレのほうを見て、焦点があう。
そんなオレたちの後ろで、嵐詩が



『ったく、ジーさんいたぶってんじゃねぇーよ!』



とトドメを刺す音が聞こえた。



「ほ、朋茗がっ」

『わかっています、彼女はオレたちの……仲間の元にいますので。』



少し言葉に迷った。
オレと彼らの関係にどんな名称が一番あっているのか……。とりあえず、聞こえの良いものにしてしまったけど。
ご主人は、それで少し安心したのか、体をゆっくりと起こした。




『おい、ジーさん、無理すんな。』

「いや、こうしちゃいられない。朋茗の所へ……」



そう言って立ち上がる。
オレと嵐詩は、困ったと目を合わせる。
このまま連れて行っても、本当に良いものなのか……。




『……本当に行くのか。後悔すっかも』

「ここで行かない方が後悔するに決まっているだろう!」



よたよたと立ち、物に掴まりながら歩く姿にオレたちは仕方ない、とフゥと息を吐いた。




『しゃーね、連れてってやるよ。』


『恩もありますし…本当は無理してほしくないんですが……』

「ありがとう、お嬢ちゃんたち」



そう笑うご主人に反して、オレは苦笑するしかなかった。
……こんなことになるとは…




『怪我を治療してから行きませんか?』


「大丈夫だ。とにかく、朋茗の所へ。」




ダメ元で言ったけど、やはりですか。終わってからもう一度申し出してみますか…ハァ……





『あ、そういえば……』



オレと嵐詩でご主人を支えながら、三蔵さんの泊まっている部屋へ向かっている時、オレは思い出した。




『ご主人、もしかしてなんですが…』


「なんだい?」


『貴方、もしかして―――』






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