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Even
“黄泉”への旅路だ?
――――人生そのものじゃねぇか。
―――――…
思いの外、静かな足音が鳴ってる。
気配が、だだ漏れなんだっつーの。馬鹿なんじゃねぇの?
カチャリ
扉が 開く。
面倒臭ぇ…
近付いてきた奴の顔を思いっきり蹴る。
バキンッみたいな音がしたから、少なくとも骨折れてんじゃねぇかなー…どうでもいいけど。
『…んあ?』
寝ぼけ眼で、倒れている奴を見れば 動かないそれ。
『うわ、マジ…』
アレだけで気絶ッスか……寝起きで加減してなかったつーのもあんだろうけどよ…
これは、正直 拍子抜けした。でも、ま…
『一応な』
そいつに跨がり、脈を確認。そのあと、頭と顎辺りに手をそえてバキッと首を折る。
それから、そいつの耳や模様を確かめた。
あぁーやっぱりなぁ
妖怪か。
……まさか、これから毎晩夜襲とかじゃねぇよな。冬夜 機嫌悪くなんじゃん。
俺は、ハァとため息を吐いて、部屋から出た。
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