04
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「……キッド。君のせいですよ。随分といい時に来てくれましたね」

「それを狙ったんですが」

「でしょうね。まずは君を捕まえてからじゃないと名前さんに想いは伝えられないらしい」

「そんな事をしている間に、名前嬢は私の腕の中に収まる事でしょう。では、白馬探偵。次の逢瀬の時にでも……」







「っはぁ、はぁ。もうここまで走ったらいいか……。ううっ。手が冷たい」

「女性が体を冷やしてはいけませんよ」


突然の声に、あたりを見るが誰もいない。でも、この声はキッドの声……


「キッド………?」

「ご名答」


その声と同時に、どこからか現れたキッドは私の目の前に立つと、手の甲にキスを落とした。


「な、なんで……ここに……」

「か弱い女性をこんな夜に1人で帰らせるのは危ないですからね」

「ありがとう……」

「名前嬢。私の手を見てて下さい」

「え?うん……?」


目の前に出された手をいきなり見ててと言われ、わけもわからずじっと見た。


「one、two、three……!」

「わっ!」


ポンっと軽い音とともに出てきたのは、可愛くラッピングされた手袋。
私好みの手袋だ。


「可愛いっ!くれるの?」

「私からのクリスマスプレゼントです」

「ありがとう!今付けてもいー?」

「勿論」


さっそく手袋をはめると、とても暖かく、心地よかった。


「暖かい……!ありがとう!でも、私何も用意してなくて……」

「では、私が勝手に頂いて行きますね」

「えっ?」


その瞬間、キッドの顔が近づき、頬に温かい感触が伝わった。


い、今のは?!
今のはなにぃーっ!!


「ちょ、え、えっ?!」

「忘れられないクリスマスになりそうです。では、家まであと少しだと思いますので、私はこれで。また月下の元でお会いしましょう」

「あ、はい……」


ウインクをした彼は、煙を撒くと同時にいなくなってしまった。

キッド……かっこよかったな。

手袋も貰っちゃったし……


ってあれ?なんで私の名前と家を知ってるんだろう……


どこかで会った事……いや、無いな。
ええー?


そのまま頭を捻らせながら家に帰った。
今年のクリスマスは、なんだか思い出深くなったな。

これから先どうなるんだろう。
なんか色々、楽しみだ。


ーENDー


(ちっ。来年は絶対俺と名前でクリスマスだ!白馬のやろーには邪魔させねぇ!)


(来年こそ2人でクリスマスを過ごしたいものだ。キッドには邪魔などさせませんよ。名前さん)


(来年はどういうクリスマスになるんだろう……なんか、不安だ……)




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