Gift | ナノ
!『雪空』×『恋々』
!七星様サイト連載コラボ小説
!『雪空』主人公デフォルト名:紺野昴
Sugar Happiness続編



本日は名前と黄瀬、昴と紫原のWデートである。
前回の失敗を踏まえて細心の注意を払いつつ楽しもうと思った矢先…

「見事に黄瀬君と敦君とはぐれたね」
「展開がお約束過ぎる!」

名前と昴は恋人である黄瀬、紫原とはぐれてしまった。正にお約束の展開だ。

「大丈夫。二人はある意味で目立つんだから直ぐに見付かるよ」
「た、確かに…」

黄瀬は現役の人気モデル、紫原は身長が208cmだから目立たないワケがないし加えて髪の色が黄色と紫なら尚更だ。
伊達に二年間も個性が強過ぎるカラフル軍団(キセキの世代)と過ごしただけあって昴の対応は冷静である。

「(そう言えば紺野さんも名字の通り髪が紺色で身長も黒子君と同じ…女の子の中では高いよね)」

名前は女子の中でも高身長に入り、自分よりも背の高い昴を見る。
海常でも170cm近くもある女子は少ないからつい気になってしまうし、加えて髪は紺色だからある意味で目立つなんて思ってしまう。

「どうしたの?苗字さん」
「!ううん。何でもないよ。私、涼太君に電話してみるね」

心配そうな表情を浮かべる昴に大丈夫と返して名前は黄瀬に連絡を入れるべく携帯電話を開いて電話を掛けた。

だけど…

「つ、繋がらない…」
「もしかしたら電波が悪いか、黄瀬君が気付いていないのかも。
なら敦君も同じ状況かな…」

確実な手段も使えなくなってしまった。

「逆ナンされていたらどうしよ…」
「あー…、有り得るね。中身がどうであれ二人揃って見た目はイケメンだしね」

結局、歩いて捜すことになり名前と昴は話しながら歩き始めた。

「涼太君って私とデートしている時でも普通に逆ナンされているんだよ。
私(彼女)とデートしているって言ってくれるよ。紫原君はどう?」
「たまに逆ナンされるね。
でも敦君が嫌悪感丸出しで辛辣な物言いをして女の子を追い払っているから逆に女の子が不憫に思えて…」
「よ、容赦ないね…」

以前黄瀬に紫原は他人に執着しないと聞いたことがあるから紫原にとって最愛の恋人である昴や特定の人間以外は関心が持てないのだろうと名前は思った。

「ねぇねぇ。そこの女の子達!」
「二人だけなら俺達とカラオケに行かない?」

名前と昴は歩みを止めて振り向くと見るからにチャラチャラしていそうな男が二人いて、カラオケに行かないかと誘われた。
これはナンパだと名前は思い直ぐに口を開いた。

「ごめん。他を当たってくれるかな」
「はぐれた連れを捜しているので丁重にお断りさせて頂きます」

名前はキッパリ断り、昴は頭を下げて丁寧に断った。

「そう固いこと言わずにさぁ。ちょっとだけだって!」
「…!?…!!?」
「ちょっと!止めて下さい!!」
「ほら君も来なよ!!」

腕に肩を回されて固まる昴を助けようとした名前も手首を掴まれて有無を言わさず連れ出そうとしたら…

「ちょっとぉ。俺の昴ちんに何してんの?」
「俺の彼女に何か用っスか?」

底冷えするような声が聞こえて昴の肩に腕を回している男の頭をボールよろしく掴んだ。
黄瀬も名前の手首を掴んでいる男の手の甲を抓る。

「いでででっ!」
「ちっ!お前等覚えてろよっ!!」

男二人は黄瀬と紫原の登場に怯んで一目散に逃げ出した。

「もう!名前は危機感が無さ過ぎっスよ」
「昴ちんもね」
「ごめん。涼太君…」
「ごめん、なさい…」

彼氏組に叱られて二人はしゅんと肩を落とした。

「冗談っスよ!冗談」
「そう落ち込まないでよ。折角のデートが台無しになるじゃん」

落ち込んだ名前と昴を元気づけようとそれぞれ手を握った。

「んじゃ!名前!デートの続きっスよ!!」
「もうはぐれないように手を繋いで行こうね」

恋人に手を引かれて、沈んでいた名前と昴の表情は明るくなった。
はぐれて中断しかけたWデートはこれから始まるのであった。

  デートにトラブルは付き物
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七星光瑠様より自分の誕生記念として頂きましたw
前回の続編をリクエストさせて頂きましたが予想以上のクオリティで自分も見習わないといけないと思いました(汗
自分も七星様の誕生記念に僭越ながら贈らせて頂きたいと思いますが如何でしょうか?
今後も宜しくお願いします(*^^*)

20130814