「まずはドッキリの中でも定番中の定番!寝起きドッキリです!
今回は、彼らの所属する社長さんにも協力して貰い、仕事の関係で相部屋で寝ているという一十木音也君と来栖翔君の寝顔を収めたいと思います!
二人を起こしてはいけないので、僕の声を少し抑えていますがテレビの前の皆さん、聞こえていますか?
・・・ではでは早速行きたいと思います!」
羽島さんはポケットから一つの鍵を取り出すと、ニヤリと何処かあくどい笑顔を浮かべました。
撮影前の彼女を知る者から見れば、いつもの無表情はどうしたんですか、と突っ込む位のイイ笑顔でした。
「この鍵は彼らの社長さん―――あのシャイニング早乙女さんからお借りしたものです!
この鍵を使って今から二人の部屋に侵入していこうと思います!
皆さん準備は良いですか?」
すみません準備出来ていません!
ていうか羽島さん変わりすぎです!!
本当に演技ですか!寧ろそっちが素なんじゃないですか!?
・・・僕の突っ込みも虚しく、羽島さんはテキパキと鍵を難なく開け、侵入する。
勿論僕も含めたスタッフも後に続いて。
「(小声)カメラさんこっちでーす。
皆さんお分かりになりますでしょうか?
左のベッドにいるのが一十木君、右側が来栖君のようです。
さぁ、寝顔を撮った後にドッキリを遂行しましょう!」
羽島さんが素晴らしい笑顔を振りまきながらカメラを手招きし、ST☆RISHのお二人を存分に撮らせる。
・・・それにしても凄い寝相。
あの赤い髪・・・えーと一十木君だっけ、お腹出してるし。
来栖君?に至っては掛け布団が床に落ちてるし。
・・・あ、羽島さんが何か取り出した。
って、あれは、えー・・・・・・。
「さぁ、寝顔と寝相を存分に撮らせて貰ったので、ドッキリを仕掛けたいと思います!
内容は只起こす訳ではありません!
今僕が持っているのは早乙女さんからお借りしたもので、音が派手に鳴り響くというバズーカを一発放ちたいと思います!」
勿論、火薬なんて一切入っていない。
其処はちゃんと僕たちが調べた。
だってあのシャイニング早乙女の私物だし。
しかも、羽島さんが今回使用するということで女性用にちゃんと改良されているらしい。流石。
「ではいきますよぉー・・・!
3、2、1、・・・!GO!!」
瞬間。
この部屋に居た全員の鼓膜が破れるのではないか、と思う位の音が響いた。
〜〜〜〜〜〜〜!!
有り得ない・・・。
「―――ッ!!」
「なッ・・・!?」
・・・何というかやっぱり二人ともリアクション所の騒ぎではないらしい。
身構えていた僕ですら、凄い音だったし。
耳を両手で押さえながら上半身を起き上がらせた二人はキョロキョロと視線をあちこちにズラす。
あ、今目があった。
「え・・・え?」
「は、羽島幽!?
っていうか、何で此処に!?つか何でカメラが!?」
茫然としている一十木君はさておき、来栖君の方は何というか面白い。
最初に羽島さんの方に意識がいき、次に僕達へと。
バラエティに映えそうな子だなぁ。
目を白黒させている二人に羽島さんは見るもの全てを虜にしてしまいそうな位の笑顔を浮かべ声高らかに一言。
「ドッキリ大成功ー!」
・・・あ、二人とも目が点になった。
Next≫
すみません一旦区切ります!
20120524