電車の窓から
夕暮れの景色をずっと眺めていたので
まだ右腕に西陽が残っている
あのころは
陽に焼けるのもかまわず外を走り回っていたのに
今はささいな日差しにも
十年後二十年後の肌を気にしてしまう私がいる
祖父は
縁側でひなたぼっこしながら茶をすすってる
たるんだ顔の皺がほほえましい
きっと戦闘機乗りだったときに
太陽に近付きすぎて溶けてしまったのだろう
そんな彼はもうすぐ 再び太陽にいちばん近い場所にいく
学校で育てたトマトを
子供たちが分けてくれる
今夜は皆で真っ赤な太陽を頬張るとしよう
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