ローの部屋に駆け込み、録画マークの付いていないデッキを前に項垂れるなまえ。
「…おい、いいかげん機嫌なおせ」
「知るか。ハーゲンダッツ持ってこんかい」
「ガリガリ君で我慢しろ」
「残念ながらアタシそんな安い女じゃないですから」
「お、こんなとこにチョコボールが」
「チョコボールだいすき!」
「(ちょろい)」
「んまー!やっぱチョコボール最高だね」
「ところでおまえ男は作んねぇのか」
「何いきなり」
「何となくだ」
「ふーん」
「で?」
「さっきルフィにも言ったじゃん。あたしの理想は黒和牛よりも高いんだって」
「理想、ねぇ。言ってみろ」
「はァ?何でアンタなんかに」
「何となくだ」
「…背の高い人。頭いい人。運動できる人。顔4性格6。あたしより強くて、喧嘩じゃ負け無しで……何笑ってんの?」
「お前、それ俺のことだろ」
「はああ?」
…でもよく考えてみると結構当てはまる。ローがタイプ?あたしの?
「んなバカな」
「いやいや、それも仕方ねぇよ。こんなイイ男他にいねェからな」
「あたしのタイプにナルシストは入ってない」
「試してみるか?」
「は?……ちょ、ロー?何」
ローの手のひらが鎖骨の辺りを優しく押し、スローモ−ションで床に倒された。
「冗談でしょ」
「さァな」
「殴るよ」
「やってみろ」
俺はお前より強いし、喧嘩じゃ負け無しだからな。フフンと言われたので試しに殴ってみた。パシッと軽々止められて悔しくなった。
「顔赤ェぞ」
「赤くない死ね」
「かわいいやつ」
一瞬で近くなった距離に驚く間もなく、それはまた離れていった。
かすめるようにローが口づけていった位置は、
「…おでこ?」
「物足りないか」
「バカじゃん」
「フフ」
目の前にある胸板をボカリと叩いた。ローは今度は、笑って受け止めた。
ちょっぴり危ない7時半
(つーか退け変態)
(却下。イイ眺めだ)
(死ね変態)
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