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麦わらのルフィが会場に飛び込んできて、彼の友達らしき魚人が天竜人に撃たれて、そして、麦わらのルフィが天竜人を殴り飛ばした。大混乱の渦に巻き込まれた客席の中で勇ましく立つその姿を見て、私は思わず考えてしまった。


(もし、あの日出会ったのが……)


「……っだあ!!!」

頭をブンッと振って考えを振り払い、キッドさんの背中に顔を押し付けた。
(私の馬鹿野郎。あの日出会ったのがキッドさんじゃなくたって、キッドさんになら、一目見たら恋に落ちるし大好きになるし、ていうか、ていうか絶対)
「大好きだし!!!」
「てめェ!?声のデカさ!!」


「頭!確か天竜人に手を出すとヤベェんじゃ、!」
「ああ。噂通りイカれてやがるな」
そうこぼすキッドさんは、どこか愉しげだ。
(ていうか、ていうか…)
今のこの体勢なんかキッドさんに守られてるっぽくない?
あー背中おっきいかっこいい、もう航海始まって大分経つけどやっぱキュンキュンとまらないわ。海楼石の錠もまったく苦じゃないし、キッドさんってマジで存在がエネルギーステロイド

「おい」
「え」
「……何でもねェ」
「いま好きだっていいました?」
「相変わらずご機嫌な耳してんなてめェ。……おいトラファルガー!」

バイヤー達が我先にと出口に向かって走り出す中、キッドさんはローに呼びかける。

「こいつの錠を外せ。仕方ねェからてめェの要求をのんでやる」
「へぇ」
首だけこちらに向けて偉そうなトラファルガー。ん?
「ちょ、え、要求のむってもしかして私貸し出しされ、え、?ちょ、キッドさんんんん??」
「お前は黙ってろ!!」
キッドさんは続ける。

「ただし俺も同伴する。それが条件だ」
「今すぐ承諾しろトラファルガーこのやろう!!」

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